フォルクスワーゲン、試験時に排ガスを無効化するソフトウェアを作成していた?

排ガスを"無効化"する「ディフィート・デバイス」は、少なくとも4種類のエンジン向けに作成されていた。

フォルクスワーゲン(VW)排出ガス不正問題について、さらに残念な報告が3人の匿名の関係者から寄せられた。彼らがロイター通信に語った話によれば、VWが不正を認めている試験時に排ガスを"無効化"する「ディフィート・デバイス」は、7年以上の間、少なくとも4種類のエンジン向けに作成されていたという。これが本当ならば、検査当局に気付かれずに不正を働き続けるために、より多くの従業員が関わっていた可能性が色濃くなる。

これまでにVWの排出ガス不正問題の対象とされていたのは、EA189型ディーゼル・エンジンを搭載した1,100万台あまり。しかしVWは、それより新しいEA288型(EURO6に適合した現行型エンジン)など「それぞれのエンジンの世代ごとに問題のソフトウェアの設定を調整していた」と、米捜査当局に近い役人はロイターに語っている。

フォルクスワーゲンは、不正に関わっていたのはごく一部の社員だけだと主張しており、不正の事実を少なくとも30人の幹部が知っていたという先頃の報道には反論している。ロイターの記事が真実ならば、この主張は信じ難いと言わざるを得ない。また、法的な問題もさらに大きくなるだろう。同記事では、VWが認めているよりも多くの幹部たちが不正を認識していたと発覚すれば、米司法省はより厳しい処罰を下すだろうとしている。

誰が不正に関わっていたのかについては、欧州でも捜査が進められている。イタリアの検察当局は、ランボルギーニの本社とVWイタリアで家宅捜索を行った。一方ドイツの検察側も、ヴォルフスブルクにあるVW本社から資料を押収しており、裁判所は2016年初旬にはリコールを始めるよう命じている。どうやらこの問題、まだまだ尾を引きそうだ。

翻訳:日本映像翻訳アカデミー

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