フェラーリ、2014年用F1マシン「F14 T」を発表!

スクーデリア・フェラーリは25日、2014年シーズン用F1マシン「F14 T」を発表した。フェラーリにとってF1世界選手権を戦う60番目のマシンとなる「F14 T」の名前は、フェラーリの頭文字に年号の「14」と、ターボチャージーを意味する「T」を組み合わせたもの。

スクーデリア・フェラーリは25日、2014年シーズン用F1マシン「F14 T」を発表した。

フェラーリにとってF1世界選手権を戦う60番目のマシンとなる「F14 T」の名前は、フェラーリの頭文字に年号の「14」と、ターボチャージーを意味する「T」を組み合わせたもの。ファンから集まった合計112万3,741もの投票の中で、最も多い32.9%を占めたことからこの名前に決められた。社内では「665」というコードネームで2年以上前から開発が始まっていたという。

これまでと同様、前後サスペンションにはプルロッド式を採用。ただしフロントノーズがレギュレーションによりドライバーの安全を考えて低く規定されたため、デザイナーは苦労してフロント・サスペンションを低いモノコックに収めるよう設計変更したという。

リア・ウイングは、今回のレギュレーション変更により小さく、ビームウイングが除去され、さらにDRSの可変幅が拡大されている。フロント・ウイングは片側75mmも幅が狭くなった。

昨年までのマシンに比べて、外からは見えない最大の変更点は、もちろんパワーユニット。コクピット背後に搭載されるエンジンは、ボア80mm×ストローク53mmの1,600cc直噴90度V型6気筒24バルブにシングル・ターボを組み合わせたものにダウンサイズされ、これに合わせてラジエーターやオイル・クーラーは縮小されている。代わりにインタークーラーと、昨年までのKERSより数倍ものパワーを放出するERS(エネルギー回生システム)を搭載。その冷却とダウンフォースのバランスに注意が払われているという。エンジンの後部に縦置きされる電子制御8速セミオートマティック・シーケンシャル・トランスミッションは、昨年までの自然吸気2.4リッターV型8気筒より低い回転数で大トルクを発生するエンジンに合わせて新開発され、ギアの段数も増えた。ブレンボと共同開発したというブレーキには、ドライバーのペダル操作を電気信号に変換して制動力を制御する「ブレーキ・バイ・ワイヤ」システムが初採用されている。ピレリから供給される全チーム共通のタイヤを装着するホイールはOZ製。F14 Tの車両重量は水・オイル・ドライバー込みで691kgと発表されている。

インターネットを通じて行われたニュー・マシンの発表記者会見で、フェルナンド・アロンソ選手は「他のチームと比べて我々が本当に競争力を持っているかどうか明らかになるには、オーストラリアの開幕戦を待たなくてはならない」と述べた。すると5年ぶりに今シーズンよりフェラーリに復帰したキミ・ライコネン選手は「今の段階では、誰もがライバルだよ。書類の上ではね」と加える。2人の関係について質問が飛ぶと、ライコネンは「強いチーム・メイトを持つことは大事だ。しかし、もっと大事なのは全ての要素、チームとマシンが強いこと」と答え、アロンソはこれに同意し「強いチーム・メイトと一緒に仕事をすればマシンの改良が進む」と語った。

今シーズンから大きく変更されたレギュレーションに対する不安については、「一所懸命に働いて最大限の準備をしてくれたチームを信じて楽天的に構えるしかないよ」とアロンソは語り、「我々は風洞設備を改良し、新しいエンジニアたちと新しいアイディア、新しい仕事のやり方を進めてきた。全員が100%の力を振り絞っていると確信している。なぜなら皆、心から勝利を渇望しているからだ」と付け加えた。

2007年にフェラーリでチャンピオンとなったライコネンが、今季は遂にチームに復帰。彼の不在期間を支えてきたアロンソとのダブル・エース体制は、果たしてマラネッロに久しぶりのタイトルをもたらすことが出来るだろうか。ファンの期待は大きいが、両チャンピオン同士によるチーム内の軋轢と、F14 Tがあまりカッコ良く見えないことがちょっと心配。2014年F1開幕戦はメルボルンのアルバート・パーク・サーキットにて、3月16日に決勝レースが行われる予定だ。

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(2014年1月27日「Autoblog」より転載)

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