9月5日 火曜日 天気:曇り 肌:可もなく不可もない
人間っていうのは、怖いものだ。
8月中旬に「1カ月間ノーメイク」を決めて、実行するまでにかなりの勇気が必要だったのに、
5日目にして、慣れてしまっている自分がいる。
会社では誰も指摘しないので、自分がすっぴんだということを忘れてしまうのだ。
上司も同僚も、拍子抜けするぐらいいつも通りの態度。みんな気づいていないのだろうか。
この調子だと、もしかしたらこのチャレンジは特に変化もなく終わってしまうかもしれない。
そんな心配も浮かび上がった夜。
私は、ベッドの上でダラダラとスマホをいじっていた。
すると、「NGメイク集」という記事が目に入った。
ここで言う「NG」は、男性目線で、ということのようだ。
女性の間ではおしゃれでかっこいいと思われるメイクでも、
男性には「ドン引き」されてしまうこともあるという。
そんな思い違いで、期待違いをなくそうと、NGメイクが丁寧に紹介されていた。
NGメイクの特集は、雑誌でよく見かける人気企画。
でも、見るたびに思ってしまう。
男性目線の「NG」。でもその「男性」って誰のことを指しているのだろうか?
あなたの周りにいる男性を思い浮かべてほしい。
兄弟、パートナー、上司、部活の後輩、同僚、クラスメイト...。世の中にいろいろな男性がいる。
見た目は男性でも、心は女性だという人もいる。
女性が一人ひとり違うように、男性も一人ひとり違う。
それなのに、その人たちをひとまとめにして、彼らに嫌われないメイクを提案するのはなんだかもやっとしてしまう。
私たちが考える「男性」は誰のことを指しているのだろうか。
漠然とした男性像を思い浮かべて、特定のメイクが押し付けられるのはなんだかつまらない。
デパートの1階に行くと、何十色、お店全部を合わせると何千色とある化粧品。
それは、人々に自由な自己表現を与えるパレットなはずだ。
女性だけじゃないすべての人が人生を彩り鮮やかに染める道具が並べられた場所なはずだ。
相手への凝り固まったイメージとマニュアルによって、表現が狭まること自体が「NG」だと思う。
◇◇◇
ハフポスト日本版でエディターとして働く私(27歳)は、2017年9月いっぱいを「ノーメイク」で過ごしました。仕事も、プライベートも、あえてメイクを塗らないことで見えてきた世界を、1カ月間少しずつ書き留めていきました。これから平日朝7時ごろ、順次公開していきます。
第6話:女が「女装」することの快感。
ハフポストでは、「女性のカラダについてもっとオープンに話せる社会になって欲しい」という思いから、『Ladies Be Open』を立ち上げました。
女性のカラダはデリケートで、一人ひとりがみんな違う。だからこそ、その声を形にしたい。そして、みんなが話しやすい空気や会話できる場所を創っていきたいと思っています。
みなさんの「女性のカラダ」に関する体験や思いを聞かせてください。 ハッシュタグ #ladiesbeopen も用意しました。 メールもお待ちしています。⇒ladiesbeopen@huffingtonpost.jp