米国で丸腰の黒人少年を射殺して、殺人罪に問われた元自警団員のジョージ・ジマーマン被告(29)の裁判で、地元の陪審団は7月13日、無罪評決を下した。この事件をめぐっては、ジマーマン被告が「正当防衛」を理由に、1カ月以上も逮捕されなかったことから「黒人差別」だとして、全米各地で抗議デモが続いていた。
昨年2月、フロリダ州サンフォードの住宅街で17歳の黒人少年、トレイボン・マーティンさん(17)が、父親の知人宅に徒歩で向かう途中に事件は起きた。時事通信では以下のように報じている。
住宅街の住人で自警団の仕切り役だった被告が高校生を不審に思い、後をつけたとされた。検察は「警官気取り」の被告が偏見と嫌悪を持って高校生を追跡したのが事件の原因で、撃つ必要がないのに撃ったと指摘。一方、被告側はもみ合いになった際、地面に頭部を打ちつけられるなどして命の危険を感じ、発砲したと主張した。
(時事ドットコム「黒人少年殺しの自警団員に無罪=全米注目の裁判で評決-フロリダ州」2013/07/14 11:59)
ジマーマン被告はスペイン語圏の文化を持つヒスパニック系で、米国では少数派。同じく少数派の黒人との間に起きた事件ということで、米国内で注目を集めていた。CNNでは、ヒスパニックのジマーマン被告は黒人少年に対する人種的偏見があるとの批判もあったが、被告の弁護士はこれを否定していたと報じた。
ハフィントンポスト米国版では「無罪だが、潔白ではない」という見出しをトップページでつけて、大きく報道。記事公開からわずか8時間で4万件を超えるコメントがつくほどアクセスが殺到している。
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