「後半にジャンプ詰め込みすぎてカオス」ザギトワの演技に、アメリカの選手が苦言(平昌オリンピック)

前半は時間つぶし「こんなの演技じゃない」
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ザギトワ選手(左)とワグナー選手
Valery Sharifulin/Matthew Stockman via Getty Images

平昌オリンピックに個人資格で出場しているフィギュアスケートのロシアのアリーナ・ザギトワ選手(15)が、基礎点が上がる演技後半にジャンプ要素を集中させて得点を稼ぐ「戦法」を採っていることについて、アメリカのアシュリー・ワグナー選手(26)がTwitterで苦言を呈した。

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フィギュア団体戦女子フリーに出場するザギトワ選手=2月12日、韓国・平昌
Valery Sharifulin via Getty Images

ザギトワ選手は、ジュニア時代に圧倒的な強さを見せつけ、今シーズンからシニアシリーズに参戦。初戦で優勝を決めたほか、これまでグランプリシリーズでも3勝しており、世界女王メドベージェワ選手=ロシア=のライバルとされている。

そんな彼女の持ち味は、ショート、フリーともにジャンプの基礎点が1.1倍となる後半に「固め跳び」する戦法だ。成功すれば得点が稼げる反面、立て続けにジャンプをしなければならず、リスクも伴う。

ドーピング問題でロシアは選手団を派遣できず、ザギトワ選手らは個人資格で参加。12日には団体戦の女子フリーに出場し、世界歴代2位で自己ベストとなる158.08点をマークした。彼女の活躍もあってチームは銀メダルに輝いた。

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試合で演技するアシュリー・ワグナー選手=1月5日、カリフォルニア州サンノゼ
Matthew Stockman via Getty Images

一方、ワグナー選手は平昌オリンピックの出場を逃しており、この日あったザギトワ選手らの演技を観戦しながらツイートしていたとみられる。一連のツイートで、ワグナー選手はザギトワ選手について次のように述べた。

彼女は7つのジャンプを後半に持ってくるつもり。

技術的には完璧。

オーケー。競争心旺盛な点には敬意を評します。でもこれはないわ。プログラムじゃない。彼女は前半の時間を無駄にし、後半にジャンプした。それは演技ではない。採点の仕組みがそうさせるのだろうけど、それはまったくフィギュアスケートではないと思う。

でも得点は得点。採点の仕組みであり、彼女はそれに合わせて演技しているだけ。彼女のことを責めることはできない。

これに対し、ほかのユーザーからは次のような反発の声が上がった。

これは競技です。彼女は競技者であり、今日の試合のように仕組みを活用して演技している。そうすることで彼女は自らの得点を最大化するというメリットがあるわけで。ザギトワ選手は前半、ただ単に立ってるだけではない。得点を最大化しようとする彼女の試みをあなたが批判できるなんて私は思わない。

ワグナー選手も弁明した。

以前にも言ったように彼女が仕組みの中で演技していること、そしてそれが戦略であることに私も完全に同意します。ザギトワ選手が自分の持ち味を活かしていることに批判をしているわけではありません。私はただ、プログラム全体を通してそれほど楽しめなかっただけです。前半は空っぽ、後半はカオスのような演技構成だったと思います。

それでも反発は収まらず、「批判してないって言ったけど、あなたのツイートの印象は批判している感じを与える」「たぶんあなたは単に嫉妬してるだけじゃないの?彼女のスタミナとジャンプにはかなわないから」などの意見が寄せれた。

ワグナー選手は「お、印象ポリスがやってきた。批判なんてしてません。選手として私は完全にザギトワ選手のことを尊敬しています」「嫉妬もしてません。技術的に難しい要素を後半に持ってくるような演技は私には絶対うまくできない。それは印象的だけど、個人的には後半がカオスにならない方が好きですね」などと言い返した。

その後もやり取りが続き、「単なる嫉妬だし、あなたは後半はおろか、前半だってあのようなジャンプはできない」という嫌味のツイートがあり、これに対し、ワグナー選手はこう言って「応酬」を締めくくった。

あなたが私のツイートを荒らそうとしているだけなのはわかっている。でも、あなたの言っていることは本当。