国内有数の野外フェス「FUJI ROCK FESTIVAL′21(フジロック)」が8月下旬に開催されるのを前に、地元の湯沢町に住む関係従業員が新型コロナワクチンを接種できることになった。湯沢町の田村正幸町長が7月8日、町民向けのメッセージを発表した。
■職域接種の予定が、厚労省の供給停止で暗礁に乗り上げる
2021年のフジロックは8月20日から22日までの3日間、湯沢町の苗場スキー場で開催される。新型コロナ感染拡大の影響で2020年の開催が1年間、延期されていた。
当初はイベント開催に向けて、湯沢町観光まちづくり機構などが「湯沢町合同職域ワクチン接種」を苗場プリンスホテルで8月15日までに2回、実施する予定だった。湯沢町内にある事業者の従業員と家族が対象で、約1700人が応募していた。田村町長の声明によると「フジロック関係従業員を対象に開催前までにワクチン接種を完了する」のが狙いだったという。
しかし、観光まちづくり機構によると、6月25日になって厚労省から職域ワクチンの供給が一時停止されると通達があり、フジロックまでの実施は難しくなっていた。
■湯沢町が新潟県と調整してワクチン確保に成功
しかし、湯沢町が県と調整した結果、ワクチンの確保に成功したという。田村町長の声明によると「イベント前までに何とかワクチン接種を完了させるため、新潟県と調整を行った結果、若干のワクチン供給が可能との回答を得ることができました」と振り返っている。
ワクチン供給量が限られていることから「感染リスクの大きいと思われる」人が対象となる。また湯沢町が保健医療センターで進めている、通常のワクチン接種スケジュールが遅れることはないという。
今回の対象となるのは「湯沢町合同職域ワクチン接種」に申し込んだ事業者の従業員で、「湯沢町に住民登録している就労者であること」が条件となる。
接種できる人数は公表されていないが、事業を受託した観光まちづくり機構によると「職域接種に応募した1700人よりは少ない人数」となる。ワクチンの種類は、当初予定していてたモデルナ社製ではなく、ファイザー社製になる見込み。第1回は7月18日、第2回は8月8日に接種予定だ。
田村町長の町民向けメッセージは以下の通り。
■「町民の皆様へ 〜就労者対象ワクチン接種について〜」
町民の皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染防止のためのご協力をいただきまして感謝申し上げます。
新型コロナウイルスは湯沢町の経済に大きな影響を与えています。8月に開催予定のフジロックにおいても、我が町の経済に大きな影響を与えるイベントです。
イベント開催に向け、観光まちづくり機構、商工会、苗場プリンスで構成する職域合同ワクチン接種事業共同体がフジロック関係従業員を対象に開催前までにワクチン接種を完了するよう進めましたが、国からの職域接種ワクチン供給が一時停止になり延期せざるを得なくなりました。
イベント前までに何とかワクチン接種を完了させるため、新潟県と調整を行った結果、若干のワクチン供給が可能との回答を得ることができました。これを受け、湯沢町では関係機関協力のもと、7月18日及び8月8日に苗場会場にて就労者を対象にワクチン接種を行うこととしました。
このワクチン接種は町が実施する接種事業のため、接種対象者は町民に限られます。また、ワクチン供給量が限られていることから、感染リスクの大きいと思われる方を対象とさせていただきました。
なお、この苗場会場でのワクチン接種により、町が保健医療センターで進めているワクチン接種スケジュールが遅れることはありません。
今回の就労者対象ワクチン接種により、町民の接種率が一層進むことになりますので、ご理解ご協力いただきますよう、お願い申し上げます。
令和3年7月8日 湯沢町長 田村正幸