東京都知事選(7月31日)に自民党の推薦なしで立候補、党が推薦した増田寛也氏を破って当選した小池百合子氏について、自民党幹部は8月1日、除名などの厳しい処分は見送るとの考えを示した。産経ニュースなどが報じた。東京オリンピックに向けて協力関係が必要な、国と東京都との関係に影響することや、都民の支持を集めた小池氏を処分することによる世論の反発を警戒したとみられる。
小池百合子氏は、東京都連が増田氏擁立の動きを見せると、都連に提出していた推薦願を取り下げ、党に進退伺いを提出した。自民党東京都連の石原伸晃会長は、増田氏の応援演説で小池氏を「わがまま」「自民党の人ではない」などと批判。さらに、都連会長の立場での自身や内田茂幹事長らの連名による文書で、小池氏を支援した場合は親族も含めて「除名等の処分の対象」と締め付けを図る通達をした。
選挙戦の結果を受けて、都連の下村博文会長代行は、1日午前にテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し「反党行為。除名なのか離党させるのか、いろんなやり方がある。党紀委員会で判断する。何もしないのはあり得ない」と自民党として処分を検討すべきだと指摘していた。
旧態依然とした自民組織こそ、見直しが必要。選挙で負けたのは紛れもない事実。(8月1日)
接戦だったならともかく112万票差の圧勝では、処分どころではない。10月には東京10区の補選、自民党幹事長が二階氏に決まれば尚更、むしろ後継候補として応援演説してもらいたいくらいだろう。(8月2日)
1日に党役員会に出席した安倍晋三首相は「4年後の東京五輪・パラリンピック成功のため、今回示された民意をかみしめながら都民と力を合わせて取り組んでいきたい」と述べ、小池氏との連携を示唆。さらに、細田博之幹事長代行はその後の記者会見で、「首相の発言は、大事な都知事だから一緒に努力するという趣旨ではないか」と述べ、処分には慎重な姿勢を示した。
さらに、小池氏が自民支持層にも支持を広げて大勝したことから、「処分すれば自民の支持率が下がるかもしれない」(党関係者)との懸念もある。朝日新聞デジタルが報じた。
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