記者の質問に反論する東京都の小池百合子知事 12月2日午後、都庁
東京オリンピック・パラリンピックの施設整備の見直し問題をめぐり、東京都の小池百合子都知事が12月2日の記者会見で、報道陣の質問にムッとして反論する場面があった。
小池知事は11月29日のIOC・東京都・大会組織委員会・日本政府の4者トップ級会合で、バレーボール会場として「有明アリーナ」の新設案と既存の「横浜アリーナ」活用案の2案を提示。小池知事は「クリスマスまでに結論を」としていたが、2日の会見では「遅くとも12月中旬まで」と前倒しする方針を示した。
一方で横浜市は、横浜アリーナ活用案について「競技団体の意向を重視すべきだ」などとする文書を11月25日に東京都に提出しており、情勢は不透明だ。また、小池知事は「私が(文書を)目にしたのは昨日(1日)」と会見で明かした。
■「大山鳴動して鼠一匹と言いますか…」
12月2日の会見では記者の一人が「横浜アリーナの活用はかなり難しい状況」と指摘。ボート・カヌー、水泳会場が従来の計画と変わらず、バレーボールも当初の計画通り有明アリーナになれば「大山鳴動して鼠一匹と言いますか…」と、小池知事に対して述べた。
小池知事は一瞬色をなしたが、質問をさえぎる形で「それは失礼なんじゃないですか」と笑みを浮かべつつ、語気を強めて不快感を示した。
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さらに記者から「有明案に決まったら知事にとって挫折になるのでは」と問われると、小池知事は「それは全く当たらない」と反論。「オリンピックがいかにサステイナブルであるべきかを追求した。金額で言うなら2000億円削ったという方もおられますが、そこから更に削っている。その分を見過ごしておられたということでは」と経費削減の成果を強調した。
■小池知事「鼠どころか、大きな黒い頭の鼠が一杯いた」
小池知事は「このままいくと豊洲でありませんけれども、どんどん(費用が)膨らんでいた」「結局は都民に費用がかかってくる。私であれ誰であれ、都に責任がある者はそのことをしなければならなかったのでは」と続けた。
その上で、「鼠どころか、大きな黒い頭の鼠が一杯いたことが、ここで分かった。入札の方式はどうなんでしょうか。そういうことを見なければいけないのでは」と強い口調で述べた。
質問への回答の最後に小池知事は「これから頭の黒い鼠をどんどん探していきたいと考えております。むしろジャーナリズムとして、そちらの方を研究されてはいかがでしょうか」と皮肉で返した。