みんなの党の陰湿ないじめ・・・離婚届にハンコを押さないばかりか虐待

ひどいことをする。このままでは、参院で憲法違反・法律違反の状態が継続し、憲政史上、大きな汚点を残すことになる。参院の院としての自律・自浄作用を強く願うものである。
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ひどいことをする。このままでは、参院で憲法違反・法律違反の状態が継続し、憲政史上、大きな汚点を残すことになる。参院の院としての自律・自浄作用を強く願うものである。

要は、衆院では、結いの党議員の、みんなの党からの会派離脱が認められたのに、参院ではみんなの党が拒否。国会がスタートしたのに、6人の結いの党参院議員が同じ会派に留め置かれたのだ。これは前代未聞の出来事だ。 

しかも、本会議場の席が、みんなの水野賢一参院議員(会派代表)の一方的な措置で、6人とも末席の前列にされたのだ。寺田典城さんという元秋田県知事のベテラン議員や小野次郎幹事長もそうだ。あたかも、私が幹事長更迭後、渡辺さんに一年生の前の席に座らされたのと同じだ。通常、この席順は当選回数や年齢等を勘案して決まる。それを破ってまで、こうした冷たい仕打ちをあえてする。そして、寺田さんの消費者問題特別委員長ポストも、本人に一言もなく一方的にはく奪された。こうした陰湿ないじめを平気でやるところに、今のみんなの党の本質的な問題がある。

現行法の枠組みの下で、憲法や法律で正当に認められた政党に、憲法や法律で保障された国会活動、政治活動を認めない。一政党の意向が憲法や法律より上位にくる。こんなことが、法治主義、議会制民主主義をとる国で許されて良いはずがない。

そもそも、ある党から議員が離党した時に、それにあわせて会派の代表者が離脱届を出すのは当たり前の話だ。その出し方、単なる手続きが「会派代表者から届け出る」というだけのことなのだ。今回のケースは、みんなの党が、その「物理的な提出」という行為を盾にとって、国会活動の自由(質問権、各種委員会の割振り、院内控室、立法事務費等)を奪うという、憲法違反、法律違反の言語道断の事態なのだ。

例えて言えば、今、みんなの党がやっていることは、離婚して家を出たいと言っているのに、離婚届(会派離脱届)にハンコを押さない。どころか、生活費(立法事務費)も支給しない、屋根裏部屋(本会議場の末席に追いやる。控室も与えない)に押し込んで、外出(国会活動)もさせない、という理不尽なものだ。

こういう時、世間では離婚調停や裁判がある。その役目を引き受けるのが国会では議院運営委員会というところだ。だからこそ、衆院では、逢沢一郎衆院議運委員長が、「これは(単なる両党間の問題ではなく)衆院全体として重大な問題だ」として、仲介役を買って出てくれたのだ。

会派離脱届は、法律的にいえば「羈束行為(きそく)行為」であって「裁量行為」ではない。本来、法律に従って、粛々と会派離脱届は出されるべきなのだ。にもかかわらず、みんなの党は、そこに勝手に「裁量性」を見い出してブロックする。これがおかしいということは、単なる議運の申し合わせ(法律でも規則でも慣例でもない)の手続きが、憲法違反、法律違反の事態を招来していることからも明らかだろう。要は、「しっぽが胴体を振り回している」状態なのだ。

こんな異常事態、憲政史上に汚点を残すような事態を、良識の府である参院が放置するわけがないと信じる。参院の議院運営委員会も早急にアクションを起こして、この違憲、違法状態を正していただけるものと強く期待している。そのためのお願い行脚はこれまでもやってきたし、これからも誠心誠意やっていきたい。

(2014年1月27日江田けんじ.NET「今週の直言」より転載)