公表された中学1年男子生徒の手記 / 時事通信社
福島第一原発事故で横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒がいじめを受けて不登校になった問題で、児童の代理人弁護士は12月9日、生徒が横浜市教育委員会に手紙を送り、検証や対応を速やかにするよう求めたことを明らかにした。朝日新聞デジタルなどが報じた。
産経ニュースによると、この生徒は手紙の中で、いじめについての報告書が出た11月2日から1カ月以上経過しても対応がない学校や市教委への不安を綴っている。
「お父さんとお母さんから、どうしてこうなったか教育委員会が調べてくれるって聞いたけど、あれからものすごく時間がかかっているし、僕はこれからどうすればいいのか」
また、生徒は新潟市の小学校で小4児童が担任教諭から名前に「菌」をつけて呼ばれていたいじめ問題にも言及した。
「新がたのいじめをテレビで見たけど、あっちは学校の先生があやまっているけど、どうしてこっちはあやまってくれない」
代理人弁護士は合わせて、いじめに積極的な対応をしなかった経緯などを検証するよう、要望書を市教委に提出した。
この生徒は、2011年8月、福島県から横浜市に自主避難した直後からいじめを受けていた。小学5年になった5月、「賠償金をもらっているだろう」と遊ぶ金をせびられ、親の持っている現金を持ち出すようになった。被害総額は150万円以上になったという。
この生徒は、小学6年生だった2015年7月、以下のような手記を書いた(抜粋)。
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「(加害側の)3人から…お金をもってこいと言われた」
「人目がきにならないとこで もってこいと言われた」
「お金もってこいと言われたとき すごいいらいらとくやしさがあったけど ていこうするとまたいじめがはじまるとおもって なにもできずに ただこわくてしょうがなかった」
「ばいしょう金あるだろと言われ むかつくし、ていこうできなかったのもくやしい」
「○○○(加害側の名) ○○(加害側の名)には いつもけられたり、なぐられたり ランドセルふりま(わ)される、かいだんではおされたりして いつもどこでおわるか わかんなかったのでこわかった」
「ばいきんあつかいされて、ほうしゃのうだとおもっていつもつらかった。福島の人はいじめられるとおもった。なにもていこうできなかった」
「いままでいろんなはなしをしてきたけど (学校は)しんようしてくれなかった」
「なんかいもせんせいに言(お)うとするとむしされてた」
「いままでなんかいも死のうとおもった。でもしんさいでいっぱい死んだから つらいけどぼくはいきるときめた」
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NHKニュースによると、横浜市教育委員会の伊東裕子担当部長は、「早く調べてほしいという男子生徒の気持ちを受け止めて、早急に、しっかりと検証を進めていきたい」と述べた。