我々が選んだ言葉から意味するメッセージはとても明確だ――。
アメリカ国務省のハーフ副報道官は12月30日の記者会見で、安倍首相の靖国神社参拝に関して、「近隣国との緊張を高めるような行動をとったことに失望している」と改めて指摘した。同時に「意見が異なる場合に互いに正直に話し合えるのも強いパートナーの証しだ」とも述べ、日米関係に影響がない認識を示した。
安倍首相の靖国神社参拝を受けてアメリカ大使館が発表した声明をめぐっては、佐藤正久参議院議員が、マスコミは英語で書かれた正式声明を読まずに、仮訳の一部だけを切り取って報道することで、国民を煽っているのではないかと問題を呈している。
これに対し、「disappointmentの表現は異例」とする反応もある。The Long Wait では、"disappointed" site:usembassy.gov で検索した結果、ロシアのミサイル計画や、中国における人権をめぐる状況が2003年に悪化したことをめぐる声明、ボスニアにおける改憲運動の失敗をめぐる声明がヒットする事例をあげながら、「同盟国に対して米国が失望 disappointment を表明することは異例である」と指摘する。
■なぜ、"disappointed"?
”disappointed"という表現をめぐっては、より厳しく強いトーンを表現するために “regret” や “concern” ではなく、“disappointed” という表現を使ったのかとの質問に対し、ハーフ副報道官は、ホワイトハウスと協議した上だと明かし、「日本の指導者が近隣国との緊張を高めるような行動をとったことに失望した。我々が選んだ言葉から、メッセージは非常に明快だと思う」と述べた。
また、中国や韓国が反発を強めていることについては「日本と隣国が過去からの敏感な問題に対応しする建設的な方法を見いだすことを望んでいる」となどと語り、日本や周辺国に関係改善に努力するよう促した。
「失望した」という表現を使ったことについては「選んだことばから、メッセージは非常に明快だと思う。ホワイトハウスとも調整している」と述べました。
一方で「日本は、大切な同盟国であり友好国だ。日米はさまざまな課題で緊密なパートナーであり、それは変わらないだろう。われわれは、意見が一致しない問題について、話し合いを続けるつもりだ」と述べ、日米関係全体に影響はないという認識を示しました。
(NHKニュース「靖国参拝に失望も日米関係に変化なし」2013/12/31 6:36)
アメリカ政府は小泉純一郎元首相を含む過去の首相の靖国参拝について、公式にコメントを控えてきた。今回の対応がこれまでと異なる点については「状況は常に異なる」とし、「地域の緊張を高める特定の時期について意見を述べる」と時期も問題であると示唆した。
米政府は過去、小泉純一郎元首相の靖国参拝へのコメントを控えてきた経緯がある。ハーフ氏は、今回の米政府の反応に関し「地域の緊張を増大させる特定の時期の行動に意見を述べている」と説明した。
(時事ドットコム 「日本と話し合い続ける=首相の靖国参拝-米国務省」2013/12/31 07:22)
※安倍晋三首相の靖国神社参拝、アメリカや中国、韓国など各国の対応について、皆さまのご意見お聞かせください。
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