シリアで拘束されていたジャーナリスト、安田純平さんが解放された。ネット上では、安田さんがみずから紛争地域に足を踏み入れたことを批判する「自己責任論」も少なくないが、自身も人質事件の被害者となった経験を持つ今井紀明さんは「3年も人質として困難な生活を送ってきた彼を受け入れることが日本社会ができること」だと訴えている。
今井さんは14年前、10代でイラクの武装勢力に拘束され、帰国後に「自己責任」という言葉のもと、世論から激しいバッシングを受けた。対人恐怖症に苦しみ、引きこもった経験をきっかけに、若者を支援するNPO法人D×Pを立ち上げた。
人質生活の苦しさについて今井さんは「いつ帰れるのかわからない、いつ殺されるのかもわからない」とツイート。そんな生活を3年以上送ってきた安田さんに「まずはゆっくり休んでほしい」と呼びかけた。
続くツイートで「安田さんを問い詰める必要はない。安田さんは意思を持ってジャーナリストとして行動してきた。様々な意見があると思うが、安易に批判するのではなくまずは一人の人として受け入れる。そうすることで誰かが動き、挑戦していくことを応援できる社会にすることが僕たちができることなのではないだろうか」と問題提起した。