奈良県・大和郡山市で行われていた「大和郡山・金魚検定」が、廃止されることが決まった。「難しすぎて受験者が少ないから」というのがその理由。
大和郡山市では、江戸時代から武士の副業として金魚の養殖が盛んであったが、環境の変化に伴い養殖業者が減少。そのため、同市の活性化と地場産業の金魚をアピールする目指で、2006年から金魚検定がはじまり、毎年1回、「全国きんぎょすくい選手権大会」が行われる8月の第3日曜日に合わせて開催されてきた。
しかしこの検定は、ご当地検定の中でも群を抜く難しさと評判だった。金魚や大和郡山にまつわる様々な内容が初級と上級に分けられて出題されるのだが、初級の問題といっても、すでに初級らしくない難易度ではないだろうか。検定問題の一例をあげよう。
・初級問題例
・上級問題の例
このため、なかなか合格者がでず、2006年の第1回開催からトータルで15人ほどの合格者しかいない。東大入試より難しいとの感想もあった。
なお、大和郡山市には、「記憶力大会」と呼ばれるイベントも開催している。古事記の編纂に重要な役割を果たしたといわれる稗田阿礼が、この大和郡山市の出身であることにちなんだイベントだという。こちらはゲーム性のある内容となっているが、金魚検定に負けず劣らず難しい。
しかし、「難しすぎる」金魚検定といい、記憶力大会といい、「オンリーワンの街づくり」を進めたいとする大和郡山市の意気込みは伝わるのではないだろうか。同市は、従来の形式での金魚検定の開催は一旦休止し、新たな企画に向けた準備期間とするとのことだ。今後どのようなオンリーワン企画が生み出されるのか、楽しみである。
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