YAMAHAが高齢者向けの電動アシスト車いすを投入、自転車に続いて車いすにも電動アシストが普及か?

ちょっと耳慣れない「電動アシスト車いす」という言葉。この電動アシスト車いすが含まれる簡易型電動車いすは、1996年にヤマハが発売してから、2013年までで600%の成長を見せている分野なのです。
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ちょっと耳慣れない「電動アシスト車いす」という言葉。この電動アシスト車いすが含まれる簡易型電動車いすは、1996年にヤマハが発売してから、2013年までで600%の成長を見せている分野なのです。

簡易型電動車いすというのは、これはほぼゴルフなどで使われるカートのような形状の車いすと昔からある手で車輪を動かす手動の車いすとの間にあるもの。ゲームのような感覚でジョイスティックで操作するものから、手動をアシストするので、手動車いすに追加で特別な操作の仕組みを持たない電動アシストタイプのものがあります。

この簡易型電動車いすでは、バイクなどで有名なヤマハがトップメーカーです。これには理由があり、実は世界ではじめて電動アシスト自転車を発売したのがヤマハであり、その技術を応用しているのが、電動アシスト車いすなのです。

その電動アシスト車いすに高齢者生活支援向けのモデルが発売されると聞いて、電動アシスト車いす「JWスウィング」の発表会&試乗会にお邪魔してきました。高齢者生活支援向けのモデルが話題となっているにはわけがあります。

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これまでの電動タイプの車いすは、日本に約350万人いるといわれる障害者のうちの肢体不自由者約175万人に対して、普及が進んできました。でも、もうとっくに大きな社会問題と認識しているはずの高齢者問題。すでに約3000万人とも言われ、この先その数は増えていくはずです。

その高齢者に向けてのはじめての本格的な電動アシスト車いすが「JWスウィング」なのです。

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「JWスウィング」は、高齢者を中心に車いすを必要とする方の行動範囲の拡大や自立した生活の支援と介護保険でのレンタルを目的に開発した製品です。車いすのハンドリム操作の負荷に応じて電動の補助力が働く車いす用電動アシストユニット「JWX-2(ジェイ・ダブリュ・エックス・ツー)」を自社開発フレームに搭載し、スムーズな走行性を実現しています。

出典:ヤマハ発動機株式会社 企業情報

当日の様子は、私が作成した以下の動画で見ていただくことができますが、人力+電動による電動アシストで、手動車いすだとそれなりの障害となってしまう軽い坂も軽々と越えていくのは、新鮮な体験です。

JWスウィングの重さは、これまでの電動アシスト車いすの中では最軽量の23.9kg。折りたたみ可能で、必要があれば、電動ユニット部も着脱できるので、車などで運ぶ際のことも考慮されています。

私も身内で経験があるのですが、身体の衰えは足からくるなどと言われるように、歳を取るとどうしても外に出かけることがおっくうになります。足の怪我でもしようものなら、なおさらそうです。そうすると、家に閉じこもりがちになり、外部からの刺激がなくなり、いろいろな意欲がうすれていくという悪循環に入ってしまいます。

また、ひとくちに高齢者といっても、その体力にはばらつきがあります。車いすに必要な腕力が違えば、アシスト力の設定も変えるべきです。それに対応するのがJWスマートチューンです。PCから専用ソフトを使用して、アシスト力・左右バランス・直進性・旋回性・応答性などの設定を調整可能です。また、設定を2つ送り込んで、アシストの走行モードの切り替えを使いこなすことも可能です。

電動アシスト車いすの実際の導入は、販売だけではなく、介護保険でのレンタルも視野に入っています。この介護ということを考えたとき、介護する側の高齢化という問題も浮上してくるわけです。

高齢者が自分の力で移動できる電動アシスト車いすであれば、介護する側の負担も減ることは、容易に想像ができます。

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いかにも車いすっぽいものではなく仕上げられたデザインも、ご家庭への導入のハードルを下げる効果があると思います。試乗してみて、私がいちばんびっくりしたことは、電動アシスト車いすの操作は楽しい!ということでした。

この先、われわれに確実に高齢者社会はやってくるわけで、こういう問題にももっと向き合っていかないといけないと感じた発表会&試乗会でした。