ヤフトピはなぜ、前澤友作さんのZOZO退任を掲載しなかったのか? ヤフーに聞いてみた。

「原則として、弊社は自社のサービスや取組についての記事はトピックスには掲載はしない方針でございます」
|
Open Image Modal
ヤフーによるZOZO買収についての記者会見にゲストとして登場したソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(左)。右はZOZO創業者の前澤友作氏=9月12日、東京都目黒区
時事通信社

9月12日、ネットサーフィンをしていて不思議なことがあった。その日は、ファッション通販大手のZOZOの創業者である前澤友作さんが同社社長を退任する話題でネット上は持ちきりだった。

新聞各社が取り上げたほか、NewsPicks、スマートニュースにも掲載された。しかし、日本を代表するポータルサイト「Yahoo!」のトップページで、主要なニュースを編集部で選んで掲載する「Yahoo!ニュース トピックス」では、この話題を掲載しなかった。

新聞各社やニュース運営企業が、この話題について書いて「Yahoo!ニュース」に配信していた。「経済」のカテゴリーではランキング上位の多くを、前澤さんのニュースが占めることもあったが「トピックス」への掲載はなかった。

一体なぜなのか。前澤さんの退任と同時に、ZOZOをヤフー社が買収することも合わせて発表されたが、これが関係あるのだろうか。気になって「Yahoo!」を運営するヤフー社の広報担当者にメールで質問したところ、9月20日までに以下のような回答が返ってきた。

■「自社のサービスや取組についての記事はトピックスには掲載はしない方針」

 

――「ZOZOをYahoo!が買収すること」や「ZOZOの前澤社長の退任」について、Yahoo!トピックスで取り上げましたか? 

今回、こちらの件は取り上げておりません。

――その理由は何でしょうか?ヤフーが関わることはトピックスで取り上げないのですか?

個別の事案については回答を控えさせていただきますが、編集方針をお伝えします。原則として、弊社は自社のサービスや取組についての記事はトピックスには掲載はしない方針でございます。

弊社にはニュースを配信する立場(Yahoo!ニュース)とニュースの対象者となる立場(事業者としてのヤフー)の2つの立場がございます。

配信されたニュースに対して、事業者として公式にプレスリリースなどでコメントを出さざるを得ないような場合、Yahoo!ニュースかプレスリリースのどちらを信じたらよいのか読者に混乱を生じさせる可能性があります。そのため、原則PRや宣伝になる記事もコメントを出さざるを得ない記事も掲載しておりません。今後も状況を踏まえて、判断していきます。

――そうですか……。「事業者としてのヤフー」について取り上げないとなると、万が一、ヤフーが不祥事をしたとしてもYahoo!トピックスでは取り上げないことになるのですか?

まず、自社のことなので配信記事で説明するのではなく、公式にプレスリリースで説明するべきことなので、自社のことを配信記事を使って伝えることはいたしません。トピックスは客観的中立的なニュースの枠と位置づけていて、ユーザーにもそのように認知されております。

そのような場で自社の情報を出して客観性中立性が損なわれるのはよくないので、原則PRや宣伝になる記事も、コメントを出さざるを得ない記事も掲載しておりません。ただし、トピックスでは出さないという整理にしているだけで、トップページにはトピックス外にも大規模なユーザーの目に触れるポジションがあるので、そこに出してしっかり伝えます。