Yahooが初めてライブストリームしたNFLの試合を1500万人以上が視聴した

Yahooの今回の取り組みについて、NFLは成功であるとし、今後も同様の取り組みを行っていく方針。
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YahooNFLは今朝、Yahooが世界規模にライブストリームした日曜日のNFLの試合の数値を発表した。NFLの通常シーズンの試合がライブストリームされたのは史上初めてで、1500万人が視聴したという。バッファロー・ビルズとジャクソンビル・ジャガーズとの試合だった。NFLは今後もストリーミングサービスで試合を配信する計画であり、その初めての配信となった今回の試合は歴史的に見ても意味のあるイベントであった。

Yahooによると、ロンドンのウェンブリー・スタジアムから生中継された試合のユニークビューアーは1520万人以上であったと伝えた。Yahooは3360万のストリームがあり、ストリームの累計時間は4億6000万分に及んだという。この数字は、視聴者の中にはストリームをリロードしたり、あるいは一旦ストリームを離れた後、また戻ってきて続きを見ていた人がいることを示唆している。

Twitterにはストリームの品質について様々な視聴者のコメントがあった。ストリームの品質が良かったという人は「安定感がある」「スムーズ」「高品質」とコメントしていた。品質がよくなったという人たちは、悲惨だと言う人や「最低」と言う人までいた。中には画面がフリーズしたり、ぼやけたりしたと報告する人もいた。しかし、多くの問題はストリーム開始から20分後に解決していたという報告もある。

一方Yahooは、8.5ペタバイトをエンドユーザーに届けている間のリバッファの割合は1%であったとし、技術的な問題があったのは少数の人に限ったことだったと示している。ストリームは最大ビットレート毎秒6.74メガビット以上であり、60fpsのHDレベルであったとNFLは伝える。

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Yahooはストリーム権のためにNFLに最大で2000万ドルを支払ったとの報道がある。ストリームはインターネットに接続したテレビ、スマートフォンやタブレット、またTumblrといったYahooが所有するサイトなどを含め、複数のデバイスやプラットフォームに配信された。

YahooとNFLの両社は1520万人の視聴があり、今回のストリームは成功であるとしているが、この数値は平均的な日曜日のフットボールの試合の視聴数よりは少ない。平均的に、CBSやFoxでこのような午後の試合にはおよそ2000万の視聴数があるという。また、NBCの日曜夜のナイトゲームを放映する番組は最低でも平均2000万人の視聴があり、最高2500万人に達すると、Nielsenのデータを元にWSJが報じている

今回の試合はアメリカ東部標準時間の朝9時半の試合ということもあり、やや人気が劣る試合だ。つまり、アメリカ国内だけでこの試合を放映した場合、視聴数もそこまで伸びないだろう。その代わり、NFLは他の185の国にもオンラインでストリームすることで、より多くの視聴数を得ることができた。

NFLはストリームの視聴数を木曜と月曜の夜の試合の視聴数と比較している。ストリームのユニーク視聴数である1520万は、木曜夜の試合の平均視聴数(1760万)と月曜夜の試合の平均視聴数(1350万)の中間に位置する値だ。

「アメリカ国内だけにテレビで放映した場合、視聴者は限定されてしまいます。試合をデジタルで配信することにより、1500万人のグローバルな視聴者を惹きつけることができ、とても良い結果だと思います」とNFLのメディア戦略、ビジネス開発と営業部門のシニアバイスプレジデントを務めるHans Schroedeは声明で伝える。

またNFLは1520万という数字はバッファローとジャクソンビルの無線通信ステーションでのテレビ視聴者とイギリス・ロンドンのテレビ視聴と中国のデジタル視聴数を含めるとさらに100万上乗せされるとした。

この試合でYahooは広告主として30以上のブランドと提携した。ロイターの以前報道によると、Yahooは価格を20万ドルから10万ドル以下に引き下げ、全ての広告商品が売り切ったという。Yahooは広告主に対し、アメリカ国内で350万ストリームを保証したとバイヤーはいう。Microsoft、Cadillac、Chrysler、Lincoln、Papa John's、Amex、T-Mobile、Subway などの大手ブランドも名を連ね、Dairy Queenがプレゲームショーを、Toyotaがハーフタイムショーのスポンサーだった。

Yahooは広告主に保証したオーディエンス数を達成することができたようだ。NFLは国外のユーザーは33%だったとしている。同社はまだこの試合で利益が得られたかどうかは発表していない。

NFLは、先進的な組織としては認知されていないだろう。例えば、試合のGIF画像をツイートしたスポーツ系メディアを追及したことがある。(結果的にTwitterアカウントを凍結に追い込んだ。)だが、NFLはストリーム技術以外にも新興メディアを活用することに力を注いでいる。今年の始め NFLはSnapchatと協力し、週刊の「ライブストーリー」動画を配信している。また、新たなGame Passサービスの展開を開始し、インターネットに接続した端末からシーズン中、シーズン前、そして過去の試合をオンデマンドで視聴できるようにした。

Yahooの今回の取り組みに関しNFLは成功であるとし、今後も同様の取り組みを行っていくとした。NFL.comのサイトで公開したストリームの指標に関する統括としてNFLは「この数値の全ては一つのことを指しています。今後もストリームでのNFLの試合に期待してください」と伝えた。

更新情報:ESPNによると、Yahooのストリームは毎分平均236万人の視聴数があり、アメリカ国内からは164万人だった。これは月曜夜のフットボールの試合より低い。例えば、先週のジャイアンツ対イーグルスの月曜夜の試合のオーディエンスは1390万人の視聴があったとESPNは伝える。1520万人という数字は、試合のストリームを少し見た人も全部見た人も含めたユニーク数であるとした。

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

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(2015年10月27日「TechCrunch Japan」より転載)