謎の深海生物「珍渦虫(チンウズムシ)」の正体が、発見から60年を経てついに明らかになった。オーストラリアやアメリカの研究チームが科学誌ネイチャーに論文を発表した。
珍渦虫は体長1〜3センチ。これまでは、スウェーデン沖合の水深100メートルの海底で見つかっていた。脳も目も生殖器もなく、1つだけある開口部から餌を取り込んで排泄物を出すという。1949年に初めて報告されたが、正体についてはさまざまな説があった。
CNNによると、当初は軟体動物と誤解され、複雑な生物が退化して単純な生物になったという説が有力視されていた。しかし西オーストラリア博物館のネリダ・ウィルソン研究員らのチームが、太平洋で4種類の新種を発見。遺伝子などを調べた結果、珍渦虫は生物の進化の初期に位置する単純な生物だったことが分かったという。
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