7月1日午後4時(アメリカ東部標準時)に始まったワールドカップの試合では、アメリカが1対2でベルギーに敗れ、決勝トーナメント1回戦敗退が決まっただけではなく、アメリカの労働生産性に大きな打撃を及ぼした。
ノートパソコンでストリーミング中継を見た者や、こっそり職場を抜け出してスポーツバーへ行った者、あるいは、仕事をしながら音を消したテレビで見た者も含めて、昼間に仕事する大勢のアメリカ人が、仕事そっちのけで試合に熱中したからだ。
6月26日に行われたアメリカ対ドイツ戦の場合、この試合を見るために2000万人近くのアメリカ人が仕事を中断した。「Yahoo! Finance」が計算したところでは、観戦者のうち1400万人は1時間あたり24.38ドルを稼ぎ出しており、失われた労働生産性はおよそ6億8200万ドルに相当するという。
7月1日に行われた対ベルギー戦の総視聴者数については、まだ公式な数字は発表されていないが、「Forbes」は1300万人から1600万人だろうと予想していた(なお、2014年ワールドカップの全世界における視聴者数は、2010年大会の32億人を上回ると見られている)。
とはいえ、職場のサッカー・フィーバーは、最終的には仕事にもプラスになると考える人もいる。たとえばForbesの記事によると、教育技術関連企業であるImagine Easy Solution社では、みんなで試合を観戦することで社内の士気が高まり、オフィス全体の団結力が増したという。
「オフィスに充満したエネルギーはものすごいものだった。誰もが同僚との団結が強まったと感じ、一緒に取り組んでいる仕事への関心が高まった。会社の雰囲気が大きく変わったよ」。同社の製品マーケティングマネージャーはこう語ったそうだ。
仕事を中断してアメリカ代表チームの試合を見ることが、正式に認められたケースもある。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、6月26日のアメリカ対ドイツ戦にあたって、州の職員が昼休みを1時間延長することを許可し、試合を観戦できるようにした。
また、26日の試合前には、職場の上司が「仕事をサボらねばならない理由を書面で提出せよ」と要求した場合に備えて、アメリカ代表チームのユルゲン・クリンスマン監督の署名が入ったこんな書式まで作られ、ツイッターで拡散された。
(文面の抄訳:関係各位。26日に仕事を休ませてください。これによって職場の生産性が下がるかもしれないことは承知しています。しかし、対ドイツ戦はアメリカ代表チームにとって重要な試合であり、予選リーグ突破のため国を上げての応援を必要としています。申し添えれば、職場の良きリーダーとして、あなたもこの日は休暇を取るべきです。ガンバレUSA!)
[Emily Thomas(English) 日本語版:水書健司/ガリレオ]
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