PK戦観戦中に心臓発作、勝利の祝福中に銃撃...ワールドカップ開催中に起きたサポーターたちの悲劇

ワールドカップを観ている人々の感情は、ローラーコースターのように急激に変動する。素晴らしいプレイに高揚するときもあるが、その逆もある。

ワールドカップを観ている人々の感情は、ローラーコースターのように急激に変動する。素晴らしいプレイに高揚するときもあるが、その逆もある。そして、世界では驚くほどたくさんの人々が、ワールドカップとサッカーによって、悲劇的な、あるいは不可思議な死を迎えている。以下に紹介していこう。

PK戦観戦中に心臓発作で亡くなった男性
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6月28日(現地時間)、ブラジル対チリ戦を観戦していた69歳のブラジル人男性が、ネイマール選手のPK戦中に、心臓発作に襲われ死亡した。地元紙『Estado de Minas』によると、死亡したこの男性はベロオリゾンテ市の「ミネイロン・スタジアム」近くのバーで試合を観戦していた。もともと糖尿病を患っていた彼は、観戦の途中で気分が悪いと訴え、病院に搬送されたが、病院に着いて間もなく死亡したという。
コロンビア勝利を祝福中、乱闘で10人が死亡
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コロンビアがグループリーグ初戦でギリシャを破ったあと、コロンビアの首都ボゴタ市内では、興奮した大勢の市民による殴り合いのけんかが発生。10人が死亡したという。同市ではこの暴動の後、アルコールの販売が禁止されている。
ボゴタ市では銃撃された女性が死亡
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コロンビアがウルグアイ戦を制した直後、ボゴタ市内で25歳の女性が、バイクを走行中の男に銃撃を受け死亡したという。事件当初は、被害に遭った女性は、街頭で行われていた祝賀祭で発砲された銃弾の流れ弾を受けて死亡したと考えられていたが、警察はその後、女性は狙撃されたという見解を明らかにした。
中国では、徹夜観戦で睡眠不足の3人が死亡
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6月14日(現地時間)に行われたウルグアイ対コスタリカ戦でウルグアイが敗れた直後、39歳の男性が病院に搬送され、死亡した。診察により、脳出血を起こしていたことが判明した。「The Telegraph」の記事によれば、時差がある試合を見ようとして連日の睡眠不足になっていたファンたちが、あと2人死亡したという。脳卒中の原因が、極度の睡眠不足とどのように関連しているかについては報じられていないが、慢性的な睡眠不足と脳卒中のリスク増大との関連性は、過去の研究でも明らかにされている。
「ペプシの持ち込み」で銃撃された?男性
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チリ人の学生、エミリアノ・サンチェス・ビットリオさん(23歳)は、スタジアムの規則に違反して「ペプシ」のボトルを持ち込んだとして、警察による取り調べを受けた。そして、逮捕に抵抗したとして銃撃され、死亡した模様だ。この事件についての報道は少ないが、ネット上のさまざまなサイトでは、サンチェス氏の遺体であるとされる画像が公開されている。
便器が直撃し、即死したサポーター
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ワールドカップの試合会場となっているレシフェ市のスタジアムでは、ワールドカップ・ブラジル大会が始まる直前に、地元の試合でサポーター同士が衝突。スタンドから投げられた便器が頭部にあたったサポーターが死亡するという事件が起こっていた。\n\n同事件は5月3日、レシフェの地元チームであるサンタクルスFCと、ビジターチームであるパラナ・クルーベとの間の試合終了直後に起きた。1対1の引き分けに終わった試合結果に激怒したサポーターたちが、試合後、トイレの便器を3つ引きはがし、スタンドから投げ落としたという。そのうちの1つがサポーターのパウロ・リカルド・ゴメス・ダ・シルバさんに直撃し、シルバさんは即死した。ほかにも3人が重軽傷を負った。\n\nレシフェは日本のW杯1次リーグ初戦(コートジボワール戦)が行われた場所だが、もともと治安が悪く殺人事件が多いほか、サポーターが過激なことで有名。今回の事件もパラナのサポーターたちは、、安全確保のため、試合終了後にサンタクルのスサポーターがいなくなるまで待ってから競技場を出たが、ひそかに居残っていた一部サポーターによって襲撃されたという。\n
ケニアでは、サッカー観戦中の48人がテロ攻撃で死亡
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ケニアの海岸リゾート都市であるムペケトニ市では、ワールドカップ観戦のためにに集まっていたサポーターたち49人が、ソマリアのイスラム教過激派グループ「アル・シャバブ」によって殺害されるという事件が起きた。\n\n事件が起きた午後8時頃、「ブリーズ・ビュー」ホテル内のバーには、ケニアの地元住民や観光客たちが集まっていたが、同ホテルをアル・シャバブが襲撃。ビル内に向けて銃を乱射させた。同グループは2軒のホテルに火を付け、捕らえた家族の女性たちに、夫と子供が殺害される様子を見るよう強要したという。
ドリブルでチャリティー活動中の男性が交通事故で死亡
アメリカのシアトル市に住むリチャード・スワンソンさん(42歳)は、シアトルからサンパウロまでの約1万6000キロの道のりを、ボールをドリブルしながら、2014年ワールドカップが開会するまでに走りきるというチャリティ・イベントに挑んでいたが、途中でピックアップ・トラックにはねられ死亡した。警察の発表によると、スワンソンさんは、市の境界線の近くを国道101号線に沿って南向きに歩いていた時に事故に遭ったという。\n
勝利を祝い、ボートから飛び込み行方不明に
自国の勝利を祝って、クルーズ船から水に飛び込んだメキシコ人サポーターが行方不明になり、死亡したと推定されている。目撃者の証言によると、死亡したジョージ・アルベルト・ロペス・アモーレスさん(28歳)は、メキシコのグループ・リーグ突破を祝い、「俺を見てろ!」と叫び、水に飛び込んだという。

[Stephen Hull(English) 日本語版:丸山佳伸、合原弘子/ガリレオ]

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