2017年11月28日、連合は東京都内でシンポジウム「職場のパワーハラスメントゼロをめざして」を開催しました。本シンポジウムは、パワーハラスメント対策の法制化を推進する契機とすることを目的に開催したものです。
冒頭、岸本薫副会長より主催者を代表し、「パワーハラスメントは社会的にも重大な問題となっている。対策を進めていくためにも、事業者に防止措置を義務づけることが必要であり、労働組合も職場全体の問題として取り組んでいく必要がある」と挨拶しました。
次に、独立行政法人労働政策研究・研修機構の内藤忍副主任研究員に「職場のいじめ・嫌がらせの現状と課題」についてご講演いただきました。諸外国における取り組みや日本での調査結果などを踏まえ、労使による予防への取り組みの重要性や、相談窓口の中立性・公平性の担保などの問題提起がありました。
JILPT 内藤副主任研究員
続いて、村上陽子連合総合労働局長からは、職場のパワーハラスメント等防止対策に関する連合の考え方について報告を行いました。
村上陽子連合総合労働局長
後半は、内藤忍副主任研究員に加え、新村響子弁護士、「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」の委員である損保労連の小保方泰介中央執行副委員長を迎え、パネルディスカッションを行いました。
新村弁護士
損保労連 小保方中央執行副委員長
パネルディスカッションの様子
パネリストからはパワーハラスメント増加の要因や防止に向けて必要なこと、労働組合が果たすべき役割、今後の課題などについてコメントがありました。法的な解決での「立証の難しさ」「解決水準の低さ」や、全国でパワーハラスメントは発生していることなどが課題として語られるとともに、グレーゾーンであっても早期に対策をすることの重要性や、そのためにも労働組合に職場でモニタリング機能を発揮してほしいといった示唆がありました。また、事業主への防止措置義務が法制化されれば、パワーハラスメント防止について広くアナウンス効果が期待できること、パワーハラスメントのみならずハラスメント全般に対応する必要があるといった意見が出されました。会場との意見交換では、実際にパワーハラスメントの労働相談を行った際に感じた問題点についてなどの意見が出され、関心の高さが伺えました。