ワークライフバランスについて大切にしている事

ワークライフバランスで重要なのは、あれもこれも適当な時間配分でやるということではありません。自分が「あれ、いまってなんか変だな」とならず、10年続けても疲れないバランスを自分で見つけることだと思います。
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私は起業家で、現在ベンチャーキャピタルから出資をうけてIT系の企業を経営をしています。しかし会社は東京ではなく名古屋にあり、勤務時間は仕事も9時に出社し、18時になれば帰るという生活をしています。残業はほとんどしていません。

朝から晩まで働いてといういわゆるベンチャー的なやり方と違うので自分自身不安になることがありますが、これが自分の目標への最短経路だと信じて取り組んでいます。

今回はワークライフバランス、社畜、ワーカホリックなんてトピックについて私が思うことと考えていることについて書いてみます。

■私の立ち位置

1981年生まれで、1歳になる娘が1人います。

一般的に我々の世代は「小中学生の頃にバブル崩壊、阪神大震災、地下鉄サリン事件などがあり・・・」と言われています。それも正しいと思いますが、個人的にはシンプルに「小中学生時代をノストラダムスの大予言を信じて1999年になったら死ぬと思い込んで育ってきた世代」だと解釈しています。

冗談みたいな話ですが、今でも1999年を過ぎて生きているのはボーナスステージだと心のどこかで思ってるようなところがあります。

こういったことから、将来の生活も考えながらも、今この瞬間や今日一日家族と一緒にいる時間というのを重視するようになったと説明できるかもしれません。

■現在の残業をしない働き方

いまの1日の時間の使い方はこんな感じです。

・5時〜7時・・・自分1人の時間

・9時〜18時・・・仕事

・18時〜22時・・・家族との時間

・22時・・・就寝

子供が1歳というこということもあって家族との時間はたくさんとりたいと思っており、土日は7割は家族との時間にするようにしています。

働いている時間は主観としては多いような少ないような‥でももっと家族との時間を作りたいなと思います。たくさん働いている人がまわりに多いので不安もありますが、その分効率化を追求し、時間内はへとへとになるぐらい働いています。

■外向けの活動は余力でやるもの

なぜ残業をしないことにこだわっているかというと、家族を犠牲にするような働き過ぎに理解ができないし、仕事や趣味、ボランティアなどの外向けの活動は余力でやるものだと考えているからです。

私にとって一番大事なのは自分の健康で、その次に家族です。私はいま家族がみんな健康で(そこまで)不満もなさそうで、自分も健康なので初めて「一日じゅう子どもと遊んでても飽きるから仕事するか」と思えるわけです。(本当に一番大事なのは子供の命と健康ですが、それは非常時だけなので省略)

この優先順位について考えるとき、私は明石家さんまが以前テレビで言っていたことをよく思い出します。それは安倍総理が彼に「議員立候補はしないんですか?」と聞いた時の返答です。彼は「私は自分のことで精一杯ですから、それどころじゃありません」というようなことを言っていました。私は実に彼らしい回答だなと思いました。人のことを幸せにしたり貢献したりする暇があれば自分と身の回りから幸せにするべきです。

■優先すべきは自分だ

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私の優先事項は上図のようになっています。まずは自分のこころと体の健康です。すべては自分が健康であってこその周りの話です。私は絶賛闘病中の人に私はなにか助けてもらおうと思わないし、協力してくれるといわれても断ります。まずは自分自身を肉体的にも精神的にも環境的にも幸せな状態にすることから始まります。

■次に近くの人を幸せにすべき

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ですので、まず自分を一番大切にします。その上で自分がオッケーになったら、次は家族です。「世界の人を」とか「貧困国を」とか言っている場合じゃないです。上図でいうと、みんながまずは自分と家族を幸せにしようとすれば6−7人ぐらい幸せになる。半分ぐらいの人がそれに失敗しても世の中全体は幸せになります。

結婚してみるとわかりましたがこれは簡単じゃないです。結婚してなくても自分の両親や兄弟を幸せにするのって簡単じゃないですよね。みなさん毎日お母さんに電話してますか?(私は全然出来てないです)

■ヒーローはテレビや映画の中で十分

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上図のようなバランスの人はカッコいいです。普通の人にはできないことだから憧れますし、だから小説や漫画・映画で取り上げられます。要するにドラマティックなのですが、このタイプはリスクが高いし、本当に幸せになった人の割合が小さすぎます。

例えば野球1つとっても高校野球の人口は10万人以上いるそうですが、メジャーリーグで活躍できるのは数年に一度の逸材だけです。しかも才能があっても怪我で駄目だったり、交通事故にあったり、病気になったりしてだめになるわけです。

あとスティーブ・ジョブスやジェフ・ベゾスなども憧れの人ではありますが、自分がなりたいかと言われるともっと自分や周りの人を大切にしたいと思います。

このタイプを駄目とか目指すなとかいうわけではありません。単純にこういうタイプはなろうと思ってなれるものではないです。普通の人が真似をして無理しても続きません。

■憧れるのはテレビで紹介されない経営者

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プロジェクトXで取り上げたり、ドラマや映画になるのはドラマティックな経営者です。破天荒だったり常識がなかったり、奇想天外だったりと。だけど世の中にはすごいことを当たり前のようにやってる会社の経営者って私の周りだけでもいっぱいいます。成功している経営者の95%がこのタイプで、残りの5%が"伝説的なカリスマ経営者"なんだろうと思います。

■仕事で一番大事なのは継続できること、再現できること

私が仕事をする上で一番大切にしているのは事業を継続できることや再現できることです。お金が欲しいだけなら宝くじに当たればいいし、麻薬の売買でもやればいいわけです。勝負に勝ちたいのであればじゃんけんでも毎日やってればいい。

だけどそうじゃない。プログラマの性(さが)として、継続して自分が死んでも動いていくようなシステムや組織を作り上げたいと思っています。もしくは今の事業をやめても、また同じマニュアルで次の事業を成功させられる事業プログラムを作ることこそが私の楽しいことです。

例えばダイヤモンドを掘る事業をするなら、一発掘り当てたいわけではなく、掘り当てる方法を確立したいというようなイメージです。

だとすれば、それは大きなラッキーに期待してはだめだし、ましてや社員や家族の犠牲の上に成り立っても駄目です。だってマニュアルにそんなことはかけませんから。

■自分のルールで楽しもう

私のルールは最初の図のとおりです。まずは自分の健康、次に家族の幸せ、その最後に外向けの活動です。

ベンチャー企業の経営者だというなら仕事100%でやるのが当然みたいな風潮もありますが、私はそういう人間じゃないのでしかたないし、家族を優先するというのは仕事を手抜きするという意味でもないのです。やるからには真剣にやる。

ワークライフバランスで重要なのは、あれもこれも適当な時間配分でやるということではありません。自分が「あれ、いまってなんか変だな」とならず、10年続けても疲れないバランスを自分で見つけることだと思います。

例えば「仕事がなかったら」「家族がいなかったら」「明日死ぬなら」と考えて自分にしっくりくるところをみつけることです。その上で心が健康でいられるなら仕事100%や趣味100%といったバランスでもいいのです。

仕事にかぎらず子育てでも、趣味でも、ボランティアでもなんでもいいので自分が楽しめるルールを自分で設定してそのルール内で真剣に人生をかけて勝負する。それこそが人生の楽しみなんじゃないかと思います。