リオデジャネイロ・オリンピックは8月14日午後9時30分(日本時間)、女子マラソンがスタートし、スムゴング(ケニア)が2時間24分04秒で同国初の金メダルに輝いた。銀メダルはキルワ(バーレーン)、銅メダルはディババ(エチオピア)だった。
ゴールテープを切るスムゴング
福士加代子は2時間29分53秒で14位、田中智美は2時間31分12秒で19位。伊藤舞は2時間37分37秒の46位だった。
福士は完走後のインタビューでこう話した。
「金メダル取れなかったー! ほんとしんどかったー! 暑いけどなんか、いろいろなことがしんどすぎて。でも金メダル目指したから最後までがんばれました。こんなにがんばった自分はいないかな。特別な時間を過ごせました。応援どうもありがとうございましたー!
最初の方はガッツポーズとかして余裕こいてたんですけど、(沿道に応援が)いてくれてうれしかったです。
マラソンはね、きついな。ここまでの過程も、レースも全部苦しいけど、オリンピックのマラソンは出るもんだね。楽しいよ。苦しいけど。もう泣きたい」
田中は「皆さんの期待に応えられなかったのは悔しいけど、皆さんのおかげでテープを切れたので感謝の気持ちでいっぱいです。やっぱりオリンピックという舞台はペースのアップダウンも多くて難しいレースでしたが、悔しい中でも最高の42.195kmでした。もっと粘りたかったですけど、私の今の力は発揮できたと思っています」と述べた。
伊藤は「しっかり準備をして自分の持っている力をオリンピックで出し切ることが目標だったけど、それができなかった。目標にしていた舞台にまず立てたことによかったと思います。早い段階からきつくなってしまって、持ち味の粘り強さを生かすことができず…これからまた頑張りたいと思います。4年前の私が立つことすらできず、かすりもしなかったので、代表になれたことがこの4年間の成長だと思います」とコメントした。
沿道の応援の中、力走する田中智美(左から2人目)と福士加代子(中央右奥)
【経過】
スタート時点の天候は快晴。午前10時(現地時間)で気温19度、湿度79%の蒸し暑いコンディションの中、10kmを過ぎてエチオピア、ケニアなどアフリカ勢が主導する形で十数人の先頭集団を形成。日本の福士、田中は第2集団につける。
12kmを過ぎ、福士がペースを上げて第2集団から離れ、先頭集団に追いつく。
15km手前で、第2集団だった田中智美と北朝鮮の2人もペースを上げて先頭集団に迫る。伊藤舞は15kmで20位と徐々に遅れ始める。
18km付近で、先頭集団にいた優勝候補のトゥファ(エチオピア)、脚の異常で走るのをやめて脱落。
20km 福士はトップと2秒差、田中は8秒差で通過。伊藤は1分22秒差と離された。
22km付近 先頭集団のペースが上がる。福士が離され始めた。
25km 先頭集団は9人。田中が1分07秒差の15位、福士は1分11秒差の16位。伊藤は3分16秒差の33位。
30km 先頭集団は7人。田中は1分55秒差の14位、福士は2分09秒差の16位。伊藤は4分57秒差の34位。
35kmを過ぎ、先頭集団のキルワ(バーレーン)がスパート。ディババ(エチオピア)、スムゴング(エチオピア)が追う展開に。
40km 先頭を走るスムゴング、追うキルワ。ディババがトップと3秒差で遅れ始める。
41km付近、スムゴングが一気にスパートしキルワを引き離しにかかるが、キルワも食らいつく。
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