女性を積極登用する26社の取り組みとは【実例】 経産省が「なでしこ銘柄」を選定

経済産業省は3日、早強証券取引所と協同で、女性を積極的に行う東証1部企業26社を「なでしこ銘柄」として発表した。東証一部上場企業を対象に、女性のキャリア支援と、仕事と家庭の両立支援などを基準に、各業種上位企業の中から財務面でのパフォーマンスもよい企業を26社を選定した。
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経済産業省は3月3日、東京証券取引所と共同で、女性を積極的に登用する東証1部企業26社を「なでしこ銘柄」として発表した。東証一部上場企業を対象に、女性のキャリア支援と、仕事と家庭の両立支援などを基準に、各業種上位企業の中から財務面でのパフォーマンスもよい企業を26社を選定した

「なでしこ銘柄」26社は、以下の通り。

国際石油開発帝石、カルビー、東レ、武田薬品工業、ブリヂストン、旭硝子、JFEホールディングス、住友金属鉱山、LIXILグループ、IHI、日立製作所、日産自動車、ニコン、トッパン・フォームズ、大阪ガス、東京急行電鉄、日本郵船、ANA HD、KDDI、三菱商事、ローソン、三菱UHJフィナンシャル・グループ、野村HD、東京海上HD、オリックス、ツクイ。

今回選定された26企業の主な取り組みを、東京証券取引所のレポートをもとに紹介する。

■国際石油開発帝石(鉱業)  

文化、国籍、信条、人種、性別、年齢などによる差別をすることなく、有能な従業員の採用と適材適所の配置・処遇を行う。海外も含めたグループ全体の女性従業員は全従業員の約17%、2010年3月末には252名であった人数が2013年3月末には428名に増加。

仕事と家庭の両立サポートの面では、小学校4年生未満の子どもを養育する従業員を対象とした育児短時間勤務制度やフレックスタイム制度、小学生未満の子の看護や家族の介護のための休暇など、法定を上回る支援制度を導入している。また、出産・育児休業した従業員はほぼ全員が復職している。

■カルビー(食料品)  

「女性の活躍なしにカルビーの成長はない」ととらえ、松本会長兼CEOの強いリーダーシップの下で、女性を中心とするダイバーシティ推進を経営上重要な戦略の一つに位置づけている。 2010年度に「ダイバーシティ委員会」を設置し、女性の活躍推進を優先課題に、さまざまな活動を通して社内の意識改革を実施。

2020年度の女性管理職比率30%という目標を掲げ、2010年4月1日において5.9%であった女性管理職比率は2013年4月1日には12.1%まで上昇している。

仕事と家庭の両立サポートの面では、2013年度から間接部門の管理職を対象に、在宅勤務制度をスタート。また、夏の「サマータイム」、冬の「アーリータイム」という制度を採り入れ、早朝時間を利用した効率的な働き方に転換、早く退社して残業時間を削減する仕組みを導入している。

■東レ(繊維製品)

育児休業制度が法制化される20年前から同制度を採用。女性の管理職登用を1950年代から実現する等、他社に先駆けて女性の積極的な活用や環境の整備を実施。

2004年に「女性活躍推進プロジェクト」を発足。女性の管理職比率は年々上昇し、2013年4月には係長級以上に就く女性比率は7.49%、課長級以上に就く女性比率は3.90%となっている。

「22時以降一斉消灯」や「全社一斉早帰りデー」の実施など、様々な取り組みを展開。2010年10月には「ワークライフバランス労使委員会」を立ち上げる。2012年4月からは育児・介護を支援し、かつ働き方の多様化による活力向上を狙いとする在宅勤務制度を導入している。

■武田薬品工業(医薬品)  

中期成長戦略の基本戦略の一つを「Diversity」とし、年齢・性別・国籍などにおいて多様な人材が協働し合うことで、創造的な思考を生み出す企業文化を醸成。また、国際的な企業の行動原則である「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」に署名している。

2012年度の女性管理職比率は2.5%だが、「2015年度の女性管理職比率 5.0%」を具体的な目標とし、研修や経営幹部との意見交換会、メンタリングなど、女性管理職育成に向けた取り組みを展開。

定時退社を推奨する「パワーアップデー」の実施、フレックスタイム制の導入、休暇・休職制度の充実などに取り組む。男性の育児休暇取得も年々増加し、2012年度の取得者は61名に。

■ブリヂストン(ゴム製品)

「多様性の尊重に関するブリヂストングループの考え方」を明確にし、2009年からグループ全体に展開。

女性のキャリア促進の面では、入社5年目前後の総合職女性社員を対象に「キャリアデザイン研修」を実施。管理職候補層の女性社員に対し、キャリアパスを明確にした育成施策を開始している。2013年の女性管理職は12名で1.1%、女性社外取締役2名、女性社外監査役1名。

仕事と家庭の両立支援の面では、結婚・出産・育児等を理由に退職した社員の再入社を促進する再入社(ウエルカム・バック)制度」や、配偶者が海外転勤した際に最大3年間休職できる「配偶者海外転勤休職制度」を導入。また、より働きやすい職場づくりの一環として、都内最大規模となる事業所内保育所「ころころ保育園」を開設している。

■旭硝子(ガラス・土石製品)

ダイバーシティ(多様性)を活かす職場づくりを実践するために、女性の活躍を推進することを重要なテーマの一つと位置づけて、女性社員の積極的な採用に加えて、活躍促進のための環境整備を進めている。

現在の全役職者に占める女性の比率は約5%だが、総合職の新卒採用のうちの20%を女性とする目標を達成。先輩社員が後輩のサポートをする「女性メンター制度」を導入するなど、さらに比率を高める取り組みを実施している。

子どもが小学校三年生を満了するまで取得できる「短時間勤務制度」や、コアタイムなしの「フレックスタイム制度」をはじめ、あらゆるライフステージにおいて安心して働けるよう制度・環境を整備。年次休暇取得率(組合員)も過去5年間で約9割の水準を維持している。

■JFEホールディングス(鉄鋼)

JFEホールディングス及び事業会社では、519名の女性総合職社員(全総合職社員の約9%、2013年4月時点)が勤務している。

2013年度は総合職社員として入社した301名のうち62名が女性、事務系社員においては112名中47名と約4割が女性だった。女性社員の増加に伴い、女性管理職比率(約1.3%、2013年4月時点)も徐々に増加する見込みだという。

JFEスチールでは、ダイバーシティ推進室を設置。JFEエンジニアリングは企業内保育施設「JFE保育園 こどもの森」を開設、JFE商事は育児休業社員との情報交換の場となる「Jママミーティング」を開催するなど、子育て社員の就労を支援している。

■住友金属鉱山(非鉄金属)

CSR方針の中で「人権を尊重するとともに、多様な人材が活躍する企業をめざす」ことを掲げ、重点的に取り組んでいる。2012年7月に、人事部内に「女性活躍支援グループ」を新設。女性従業員がやりがいを持って生き生きと働くことができる職場をめざし活動している。

2013年度は、経営幹部や女性従業員を対象とした研修の実施による意識改革の推進、仕事と家庭の両立、産休・育休取得後のスムーズな職場復帰に関する各種制度の新設・見直し、女性従業員の職域拡大のためのインフラ整備の推進などに取り組んでいる。

■LIXIグループ (金属製品)

住生活産業における真のグローバルリーダーとなり、世界に認められる企業文化を構築していくために、2013年1月に「LIXIL Diversity宣言」を実施。具体的には、「多様性の尊重(Respect Diversity)」「公平な機会の提供(Equal Opportunity)」「実力主義の徹底(Meritocracy)」を実現することを目指す。

女性従業員の活躍支援は不可欠なものであるとし、人事総務本部にダイバーシティ推進グループを設置。2013年10月の国内の女性管理職は76名(3.3%)と、2011年の22名から大幅に増加。さらに、女性社外取締役1名、女性執行役専務1名も登用している。

2012年9月にLIXIL労働組合メンバーを含めた専門委員会「WLF(ワーク・ライフ・フレキシビリティ)検討委員会」を立ちあげ、育児者への支援策や有給休暇の取得促進策など様々な制度の導入に取り組んでいる。

■IHI(機械)

優秀な女性の採用と入社後に活躍できる環境の整備、企業風土の醸成が企業の成長にとっての必須の課題であると捉え、2018年に女性管理職比率(課長相当職以上)を3%(75名)以上に、女性の役員を1名以上にする数値目標を設定している。

後輩女性社員のよきキャリアモデルを確立することを目指し、女性管理職向けの講演会・研修を年数回開催している。約10名の若手女性課長を「ネットワークリーダー」に任命し、女性社員の意識啓発や情報共有のための交流会を実施。現状、女性管理職比率は1.6%だが、グループ会社を含め女性の執行役員や部長クラスの登用が拡大している。人事部にも、ダイバーシティを担当する専門組織も設置している。

仕事と家庭の両立サポートの面では、小学校入学までの子の育児・看護のためのチャイルドケア休暇や、育児・配偶者転勤等を理由とした退職者の再雇用制度であるキャリアリターン・エントリー制度等を導入している。

■日立製作所(電気機器)

日立グループでは、グローバル市場での競争力を高めるために、ダイバーシティ・マネジメントを重要な経営戦略と位置づけ、経営幹部の強いコミットメントのもとグループ・グローバルで人財力を強化している。

女性活用については、これまでの取り組みにより、女性総合職比率は2012年度に12.4%、女性管理職比率は部長職以上で2.3%、課長職で4.0%と拡大。現在は、より多くの女性社員が指導的立場や経営の意思決定の場に参画する新たな段階に。2013年5月には、「2015年度までに女性社員を役員に登用」「2020年度までに国内の女性管理職を1,000人とする(2012年度比2.5倍)」という目標を定めたという。

日立グループの部長職以上の女性113名が一堂に会した「日立グループ女性リーダーミーティング」や「日立グループ女性が活躍する会社ランキング」などを通じて、社員の意欲喚起、トップコミットメントの一層の強化をはかるとともに、在宅勤務制度の活用、サテライトオフィスの設置、モバイルツールの配布などによって、柔軟で多様な働き方を選択できる環境整備を進めている。

■日産自動車(輸送用機器)

ダイバーシティを経営戦略のひとつと位置づけている。2004年に、推進専任組織である「ダイバーシティ ディベロップメント オフィス」を本社に設立。海外地域とも連携し「多様性を尊重し企業の持続的な成長を目指す」という共通のゴールに向かっている。

女性従業員へのキャリア形成支援や能力開発のための研修のほか、新任管理職へのジェンダーダイバーシティに関する研修など、女性従業員の活躍を支援。その結果、2013年4月の女性管理職比率は6.8%、部長級以上の女性比率は4.7%にまで増加。2016年度終了時には女性管理職比率を10%とすることを目標にしている。

仕事と家庭の両立支援においては、各種支援制度を有効に使いながら活躍できるようにサポート。2013年度は在宅勤務拡充などを通して、効率的で柔軟な働き方を推進。今後も増えていく育児や介護と両立する従業員のみならず、全ての従業員一人ひとりが活躍していけるような活動を行っている。

■ニコン(精密機器)

ニコンでは、多様性を尊重し、社員が安心して働ける制度・施策を整備している。

ダイバーシティ推進として、女性社員の能力開発の促進やネットワーク形成を目的に「自己実現研修」を実施し、女性のキャリア開発支援を目的に「メンター制度」を導入。女性管理職数を、2010年3月末の22名から5年間で倍増させる目標を立て、2013年12月末に47名となり、目標を前倒して達成した。このうち役職別の女性管理職比率では、ゼネラルマネジャー(部長級相当)およびそれ以上の役職で4.3%、マネジャーまたは室長(課長級相当)の役職で3.8%だった。

ニーズの高い部門で在宅勤務制度を導入しており、業務効率の向上やワーク・ライフ・バランスの充実を推進している。

■トッパン・フォームズ(その他製品)  

「ダイバーシティ&インクルージョン」を経営戦略の重要課題の一つとして、女性の積極的採用と育成や、ワーク・ライフ・バランスを推進している。

新卒採用は、男女比率50:50を目標に、2013年度は女性44.2%と業界内で最も高い水準。女性のキャリア促進の面では、チームを導くことができる意欲ある女性社員を選抜し、年間11日間の研修を実施。その結果、2013年度は受講者の50%が管理職に登用され、女性管理職は、部長5名を含む24名となった。

仕事と家庭の両立サポートの面では、一度退職した人が、退職理由に関係なく復帰できる「キャリア・リターン制度」の他、テレワーク勤務制度、フレックスタイム勤務を含む柔軟な勤務体制の導入や、ワーク・ライフ・バランスに関する社内セミナーの実施、労働時間削減目標の設定、ノー残業デーの設定など、長時間労働削減に向けて取り組み、働きがいと変化対応力のある環境づくりを実践している。

■大阪瓦斯(電気・ガス業)  

大阪ガスでは、性別・年齢・国籍等にかかわりなく能力を最大限発揮できる職場環境を整備するために、2013年4月に「ダイバーシティ推進チーム」を設置している。

仕事と家庭の両立サポートの面では、古くから様々な取り組みを進めてきた結果、現在では出産・育児に伴う退職はほとんどないという。2012年度の平均勤続年数は、男性20.6年、女性22.1年。ほとんど性差がない状況となっている。

女性のキャリア促進の面では、2013年4月に部長職に女性2人が登用、監督・管理の地位にある女性は、前年度比10%増、2004年度比78%増。女性活躍支援の取り組みは着実に成果を上げている。

■東京急行電鉄(陸運業)

1988年度に女性総合職の採用を開始して以来、男女の区別なく採用を行い、配属においても性別に関係なく幅広く行っている。2001年度からは、鉄道の駅務などの現業職場においても女性の採用を続けている。女性の管理職登用については、現在、部長職1名を含む11名の女性管理職が各職場で活躍している。

女性リーダー輩出のために、まず多くの女性従業員が継続して就業し、その中で各々の業務を通じて幅広い知識と経験を積み、確実にキャリアアップしていくことが重要であるという認識のもと、特に産休・育休からの職場復帰に伴う不安や負担を軽減するため、従業員から要望の高かった子どもの急な発病時の「預かり保育」に関わる支援プログラムを開始した。

休業中にも休業前と変わらぬIT環境を整えることにより、情報断絶による疎外感を払拭する取り組みを進めるなど、育児期の働き方に配慮、女性の活躍を支援している。有給休暇の消化率は87.7%、全産業や運輸業と比較して高水準となっている。

■日本郵船(海運業)

「国内外グループの多様な人材を、グローバルなフィールドでたゆみなく育成する」ことを掲げた「HR(Human Resources)理念」を2005年に定め、人材育成を行っている。

2001年には「総合職・一般職」といった職種区分を廃止。人事制度を一本化し、男女の区別なく活躍できる制度・環境づくりを進めてきた。女性管理職比率も2012年度には12.6%となり、女性役員も2名就任している。2013年度より「キャリア業務室」を設置、ダイバーシティの推進に取り組む体制を整えている。

仕事と家庭の両立支援として、2002年に都心で初めての企業内保育所「郵船チャイルドケア」を設置、2008年に配偶者が国内・海外転勤の際に最長3年間休業可能な制度を導入。「ワークライフバランス推進委員会」による休暇取得状況や時間外労働のモニタリング、早帰りの推奨等、さまざまな取組みを実施している。

■ANAホールディングス(空運業)

行動指針「ANA's Way」の中で、多様性を活かす「チームスピリット」を掲げ、ダイバーシティの推進を重要な経営課題として取り組んでいる。

ANAでは、「キャリア相談室」の設置や、「メンター制度」「キャリアデザイン研修」等を実施、女性が長期的かつ自律的にキャリアを描く支援をしている。2013年現在、女性の取締役執行役員が1名就任、女性管理職比率も9.8%まで上昇。女性が組織の中核となって活躍できる会社づくりを進めている。

仕事と家庭の両立サポートの面では、早朝・深夜、宿泊を伴う勤務などと育児を両立させる支援策として「ベビーシッター育児支援割引制度」の導入、就労形態の選択ができる他、2012年より「配偶者海外転勤休職制度」、「エリア型(東京地域限定)総合職制度」を導入。働きやすい環境をつくる制度や仕組みの導入を進めている。

■KDDI(情報・通信業)

KDDIでは、女性のキャリア促進に関する数値目標として、「2015年度に女性管理職者数約250名 (女性管理職者比率7%)」、「組織のリーダー職で人事評価の権限を持つ管理職の女性ラインの長約90名登用」を掲げている。

女性のキャリア促進の面では、2007年に、女性社員の活躍を推進する社内横断プロジェクト「Win-k (ウィンク)」を発足、継続的に取り組みを展開しており、女性社員対象のスキルアップセミナー、キャリアデザインセミナーなどを開催している。

2012年度から、本部長クラスの人事評価基準の1つに女性活躍推進を含めた人財育成・指導項を追加。2013年度にライン長にも適用を拡大している。2013年10月時点で、女性管理職数は141名、女性ライン長数も42名に達している。

■三菱商事(卸売業)

性別や国籍の違いだけでなく、育児や介護を担っているなど多様な社員が在籍する中、「様々な経営環境の変化に対応できる、柔軟で強い組織体」を構築するため、「ダイバーシティを受容する雰囲気・風土の醸成」を進めることが、継続的な企業価値の創出に不可欠であると考え、人事諸施策を展開。

女性管理職者数は、2012年度には207名にまで増加、女性管理職比率は6.4%となった。女性の社外取締役1名(全取締役14名中)、女性の社外監査役1名(全監査役5名中)がそれぞれ就任している。

仕事と家庭の両立サポートの面では、フレックスタイム制度や短時間勤務等の柔軟な勤務時間の設定、配偶者の転勤に伴う退職時の再雇用制度の導入を始めとする各種支援策を講じている。

■ローソン(小売業)

女性を含む多様な従業員の活躍支援を推進するため、「ダイバーシティポリシー」を策定。女性活躍支援に対するトップの強いコミットメントの下、男女問わず多様化を推進し、異なる価値観・視点から他にない「モノ」や「サービス」を生み出し、競争優位性を確立していく姿勢を明確にしている。

2013年度の女性課長比率は6.2%、同部長比率は3.0%、女性社外取締役は2名ですが、「2020年度には管理職における女性比率を30%にする」という数値目標を設定。女性社員限定の幹部候補養成研修を行い、トップマネジメントが女性社員と直接対話する機会を定期的に設けるなど、様々な取り組みを実施している。

仕事と家庭の両立サポートの面では、次年度は、男性の育児参加推進の強化、時間外労働の削減に向けた業務効率化に取り組んでいる。

■三菱UFJフィナンシャル・グループ(銀行業)

『認める。活かす。高めあう。~お客さまの期待を超えるために~』をビジョンに掲げ、ダイバーシティを推進。女性のキャリア促進の面では、2015年3月末までに女性管理職300人登用、役付者女性比率15%を目標としている。2013年10月時点で女性管理職は342人、役付者女性比率は14.7%。持株会社の三菱UFJフィナンシャル・グループには女性取締役が1名がいる。

管理職向けのダイバーシティ・マネジメント研修実施、ダイバーシティレポート配布、ダイバシティフォーラム開催などに取組み、社内の意識を醸成している。

仕事と家庭の両立支援の面では、「メリハリ・ワーク&ライフ運動」を通じ、生産性の高い、効率的な働き方を探求。また、出産後、仕事と育児を両立する人の自己実現を積極的に支援する様々な制度を整えている。

MUFGグループ各社は、次世代育成支援対策推進法に基づく認定を取得するなど、女性の活躍推進や働きやすい職場作りに取り組んでいる。

■野村ホールディングス(証券、商品先物取引業)  

ダイバーシティ&インクルージョン(多様な「考え方」・「見方」を業務に活かしていこうという取り組み)を推進している。野村ホールディングスでは、女性の執行役員が2名、女性の社外取締役が1名、海外を含めたグループ全体では1000名以上の女性管理職が活躍。女性管理職比率はグループ全体で13%、日本においては6%(野村ホールディングス及び野村證券)となっている。

女性のキャリア促進の面では、グローバルな研修制度として女性管理職を対象に役員や上位管理職との1年間のメンタリング・プログラムなどを実施。部署を越えた社員間のネットワーク作りを支援している。

仕事と家庭の両立サポートの面では、長時間労働削減に向けて、水曜日の定時退社やシフト勤務制の採用など、部署ごとに実施。また、有給休暇の半日取得制度や法定を上回る育児・介護制度を提供、配偶者の出産休暇や育児休業制度は男性社員にも利用されている。

■東京海上ホールディングス(保険業)

東京海上ホールディングスでは、多様な価値観を持ち、意欲と能力のある社員が性別・年齢・国籍等に関わらず能力を最大限発揮していくことが、世界中の顧客に提供する商品・サービスの品質を高めていくうえでも重要であると考え、グループ全体のダイバーシティ推進に取り組んでいる。

東京海上日動火災では、2013年2月にダイバーシティ推進チームを人事企画部に設置しました。継続的に女性の経営幹部層を輩出するため、個々人のキャリアビジョンをふまえた役割の付与、キャリア形成の一助として部門を越えた人事異動や研修の実施、本人の意欲と実力に応じて挑戦が可能な環境を整えている。現在、国内のグループ連結会社における女性管理職は212名、監査役2名、執行役員3名が女性となった。

仕事と家庭の両立サポートの面では、東京海上日動火災では、直近年度の労働時間を超過しないよう通年で取り組んでいる。毎月1回、完全定時退社デーや一斉定時退社励行週間を設定し、また毎年11月を「働き方を見つめなおす月間」を位置づけるなど、長時間労働に向けて取り組んでいる。

■オリックス(その他金融業)

国籍、年齢、性別、職歴を問わず、多様な人材を受け入れることで、それぞれの能力や専門性を最大限に活かせる職場づくりを目指している。

女性のキャリア促進の面では、若手女性社員向け「ORIX Group Women's Forum」 、主任クラス女性社員向け「ORIX Career Design Workshop」、女性管理職向け「メンタリングプログラム」など、各年代・役職に合わせた講演会や研修などを実施。女性管理職比率は14%に上り、1名ずつ女性の社外取締役および執行役がいる。

仕事と家庭の両立サポートの面では、柔軟な働き方を認める制度として、1989年に「時差勤務制度」を導入。このような取り組みにより、2013 年3 月時点で平均勤続年数は10.0年(男性:10.1年、女性:10.0年)と、男女ほぼ差がない状況になっている。

■ツクイ(サービス業)

幅広い人材が性別、年齢、障がいの有無に関係なく、個性や能力を発揮できる企業風土作りや、能力や成果に応じた評価を行っている。

女性取締役比率は37.5%、女性管理職比率は37.2%。上場企業のなかでも、非常に高い水準となっている。

育児休業制度や育児のための短時間勤務制度、子の看護休暇、介護休業制度などが利用しやすい社内環境づくりを進めるほか、出産祝金や入学祝金を『ツクイ倶楽部』(ツクイ独自の福利厚生制度)から支給するなど、従業員の子育てを支援している。

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