前例のないエボラ出血熱の拡大が西アフリカを悩ませ続けている一方で、ひとりの男の子の画像が、シエラレオネの人々に希望の光を与えている。
その男の子の名前はヴァンディ。彼こそ奇跡の子である。この写真は、ヴァンディがシエラレオネにあるエボラ出血熱患者の隔離施設を退院するところだ。悲劇的な状況の中、ヴァンディの希望と生還の物語を伝えよう。
ユニセフ(UNICEF / 国連児童基金)によると、ヴァンディは7歳。1カ月以上前にウイルスに感染し、致死率の高いエボラ出血熱の重篤な症状に苦しんだが、今では克服した。
「幼いヴァンディの存在が、隔離施設内で最も深刻な時に笑顔をくれました。彼が回復したことはとても嬉しいです」と、ボランティアの看護士がユニセフに語った。
感染が拡大し不安が広がる中、ヴァンディは数少ない成功事例のひとつだ。ユニセフは、生還した患者についての物語をブログで伝えている。
シエラレオネは、感染拡大による最も深刻な影響を受けた国のひとつで、エボラ出血熱によって数百人が死亡したと、ガーディアン紙は報じている。しかし、シエラレオネではデマが飛び交い、エボラ出血熱の治療がより一層困難な状況となっている。シエラレオネでは新たにエボラ出血熱が発生した国であることから、医療従事者がウィルスを持ち込んだのではないかという疑いがかけられ、脅迫を受けているという。一方で、政府に対する非難や不信感も募っている。
8月9日、ギニアは、感染拡大を防ぐためにシエラレオネ、リベリア両国との国境を封鎖した。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のトム・フリーデン医学博士は、7日のアメリカ連邦議会で行われた聴聞会で、今回の危機は、過去にエボラ出血熱が発生した時に感染した人間の総数を超えるペースだと語った。
AP通信によると、フリーデン博士は「たった1本の薪の残り火を残しておいたら、森林火災になるようなものです。つまり、再び燃え上がるのです」と、エボラ出血熱を封じ込む難しさについて述べた。
しかし、ユニセフは希望を捨てていない。ユニセフのブログによると、シエラレオネは特異な状況にあり、生還率は新規感染者数とともに上昇し続けているとしている。WHOによると、エボラ出血熱の致死率は90%だが、これまで感染者と認定された143人が7日の時点で快復したと診断された。
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