機内食はなぜ「美味しい」と感じにくいのか 理由は食べ物のせいではなかった

原因は私たち、もしくは、飛行機かもしれない。えっ、どういうこと?
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A cabin attendant displays an in-flight meal of paella-style rice for Vanilla Air during a media preview at Narita Airport in Narita, Chiba Prefecture, Japan, on Tuesday, Dec. 3, 2013. ANA Holdings Inc. rebranded its low-cost carrier as Vanilla Air after a venture with Sepang, Malaysia-based AirAsia Bhd. dissolved in June over disagreements on how to run the company. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images
Bloomberg via Getty Images

機内食を普段から好んで食べたいと思う人は稀だろう。しかし、口の中のあの不味さは、私たちに原因があるかもしれないことがわかった。もしくは、飛行機に問題があるという。えっ、どういうこと?

最新の研究によると、大きな騒音、とりわけ飛行機の中で発生する騒音が、味覚を著しく変えてしまうことがあるという。甘味は抑えられ、うま味は不自然に増幅されて感じるようになる

この研究は、2015年3月に『実験心理学会誌 - 人間の知覚と行動』に掲載されたものだ。48人の被験者が、静かな部屋と飛行機の客室音を再現した部屋の両方で食事をした。研究グループの出した結論はこうだ。「飛行機の客室」内では、甘味を感じる能力が抑制される一方、うま味に対する知覚は増幅する。コーネル大学食品科学科の助教授で同研究の共同著者、ロビン・ダンドー氏はハフポストUS版に、音によって被験者のこれらの味に対する感覚が10〜15%変化したと語った。騒音と耳の神経の間に起こる、感覚相互作用が影響しているのではないかという。

トマトジュースにはうま味が多く含まるため、機内では味が違って(多くの人にとってはより美味しく感じられる現象も、これで説明できそうだ。この現象を裏付ける事実として、2008年に乗客がフライト中にビールと同じだけ沢山トマトジュースを飲んでいることに、ルフトハンザのスタッフが気がついた。これは同航空会社にとって衝撃的な発見だった。ルフトハンザのケータリング取締役が指摘したように、ドイツ人はビールがとても大好きだからだ。

上空10キロの世界では、騒音以外にも味覚に影響する要因がある。客室の乾いた空気で鼻粘液は乾燥し、気圧の低下で細胞膜は膨張する。そのどちらも、フライト中の味覚器を実質的にまひさせてしまう。ルフトハンザが行った研究で2010年に明らかになったのは、飛行中に似た状況下では、甘味と塩味の感覚は最大で30%も鈍くなるということだ。そのため、どんな種類の食べ物も味を感じにくくなる。

飛行中はおとなしくピーナッツをかじる程度にしておくのが得策かもしれない。

【訂正】2015/11/22 13:10

当初の記事で「気圧の高まり」としていましたが、正しくは「気圧の低下」でした。

H/T Time

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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