『耳をすませば』心がキュンとする名言集 「お前を乗せて、坂道のぼるって決めたんだ」

主人公の一人、天沢聖司役は俳優の高橋一生さんでした。
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1月27日の日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」では、スタジオジブリのアニメーション映画『耳をすませば』が放送される。

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『耳をすませば』宣伝ポスター(ジブリの大博覧会にて)

テーマ曲「カントリーロード」が印象的なこの映画、キャッチコピーは「好きなひとが、できました。」。本が大好きな少女・月島雫は、バイオリン職人を目指す大人びた少年・天沢聖司に恋をする。多感な時期、登場人物たちは進路に悩みながらも自分と向き合い、「自分のやりたいことは何か」「自分には何ができるのか」を模索する。ジブリ映画史における、青春物語の金字塔だ。

こんなシーンもある。雫は大学生の姉に「進路っていつ決めた?」と聞くが、姉は「それを探すために大学に行っているの」と返す。自分の進む道はどうすべきか、思い悩むのは大人も同じなのかもしれない…そんな描写も魅力だ。

旅立ちを前に、聖司は自転車の後ろに雫を乗せて、道を疾走する姿。「寒いぞ」と聖司が雫にジャンパーをかける姿など、「青春」の思い出を巧みに表現したシーンも心に残る。公開から20年を経て今もなお、「あぁ…こんな青春を送りたかった…」と見るたびに思わせる、そんな映画だ。胸を打つ(もしくは、抉る)甘酸っぱいセリフも盛りだくさん。その一部を紹介しよう。

■月島雫

すごいね。もう進路を決めてるなんて。私なんか全然、見当もつかない。毎日なんとなく過ぎちゃうだけ

すごいなあ。ぐんぐん夢に向かって進んでいって。私なんか、バカみたい。聖司くんと同じ高校へ行けたら、いいなあなんて。ハハハ…。てんでレベル低くて、やんなっちゃうね

自分よりずっとがんばってる奴に、がんばれなんて言えないもん…

私、背伸びしてよかった。自分のこと、前より少し分かったから

■天沢聖司

本当に才能があるかどうか、やってみないと分からないもんな

見ると聞くとは大違いさ。でも俺はやるよ

大丈夫だ。お前を乗せて、坂道のぼるって決めたんだ!

雫!大好きだ!

■フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵(バロン)

遠いものは大きく、近いものは小さく見えるだけのこと

■月島靖也(雫の父)

人と違う生き方は、それなりにしんどいぞ。何が起きても、誰のせいにもできないからね。


■映画公開は1995年、阪神淡路大震災の年だった。

『耳をすませば』の公開は1995年の夏。この年の1月には阪神淡路大震災があった。『耳をすませば』のスタッフは被災地でボランティア活動を続けながら作品を制作。一般向け試写会も、通例では東京から始まるが、スタジオジブリは「まず被災地の人たちに見てほしい」と、神戸の地を披露の場に選んだ。

原作は柊あおいが『りぼん』で連載した少女漫画。監督は「赤毛のアン」や「火垂るの墓」ではキャラクターデザインを務めた近藤喜文氏で、「耳をすませば」が初監督となった。日本屈指のアニメーターで、宮崎駿氏が厚い信頼を寄せた。活躍が期待された矢先、公開からわずか3年後の1998年に47歳で急逝。『耳をすませば』は近藤監督にとって、「最初で最後の監督長編作品」となった。

■天沢聖司役の高橋一生さん「一生懸命というのは、すごいかっこいいこと」

主役の一人、天沢聖司を演じたのは俳優の高橋一生さんだ。当時14歳だった高橋さんは、舞台挨拶でこんな言葉を残している。

いまの時代、日常っていう繰り返しの中で、目に見えなくなっていくものが山ほどあって、実はその中に、何かすごいすばらしいものが隠されているんだな、って気がつきました。
(朝日新聞1995年07月25日夕刊)

天沢聖司(の声)という仕事をやってみて、気づいたのは、一生懸命というのは、すごいかっこいいことで、信じて真っすぐ進むというのは、決して恥ずかしいことではないということでした。(まじめな生き方をすることを)うざったいとか、かっこ悪いとか、ダサイとか(思っていたけど)、そういうのが、かっこいいんじゃないんだな、と思いました。

(朝日新聞1995年07月25日夕刊)

▼「ジブリの大博覧会」画像集▼


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