1日50枚、障害者施設利用者の手作りマスクが好評。

「コロナの感染拡大が終息するまで続けたい」障害者施設利用者の手作りマスクが好評だ。平塚市役所1階にある福祉ショップ「ありがとう」で販売されている。
Open Image Modal
手作りマスクを販売する福祉事業所の利用者=平塚市役所で
福祉新聞

マスク不足に一役買いたい――。神奈川県平塚市の市役所1階にある福祉ショップ「ありがとう」で、市内の障害者施設利用者が手作りしたマスクの販売が好評だ。新型コロナウイルスの感染拡大でマスクが品薄状態になるのを見かねた福祉ショップ運営協議会の高橋真木会長(69)が、市内にある福祉事業所に呼びかけ、3月13日から販売を開始したが、今ではオープン前から行列が出来るほどの人気になっている。

  福祉ショップではこれまで、市内にある視覚障害者支援事業所「地域活動支援センター サポート湘南」が、5年ほど前からインフルエンザの始まる前から花粉の季節が終わるまで、毎年120枚ほどの手作りマスクを販売している。

  同市内と隣接する大磯町には28の障害福祉事業所があり、福祉ショップでは各事業所で作られた日替わり弁当やパンのほか、ポーチやマットなどの雑貨品を販売している。手作りマスクの製作・販売は高橋会長の呼びかけにサポート湘南のほか、新たに7施設が応じてくれたという。

Open Image Modal
マスク生地のアイロンとマスクゴム通しをする利用者=サポート湘南
福祉新聞

マスクはガーゼやさらした木綿などを使い、洗って何度でも使えるようにしたほか、カラフルな柄で個性的な仕上がりになったものもある。マスクゴムの代わりにTシャツの切れ端を使う工夫もされている。サポート湘南の支援員、岡本千秋さんは「ひも状で耳が痛くならないものがあればとの話から、コストがかからず、伸縮性のある使い古しのTシャツを使った」とアイデアもこらした。

  1日に販売するのは50枚から60枚ほど。高橋会長は「『こんなマスク』と言われると思っていたが、ほとんどの人から『苦労して作ってくれたんですね。ありがとうございました』とお褒めや励ましの言葉をいただいた」とうれしそうだ。「コロナの感染拡大が終息するまで販売を続けたい」とも話している。

  福祉ショップは平塚市役所本館1階東側多目的ホール。営業時間は開庁日の午前10時から午後3時。

2020年4月10日 福祉新聞より転載