雑誌・POPEYEで「福祉の仕事」特集 現場の若手職員が魅力をアピール

ポパイは1976年創刊の20~30代男性向けの月刊誌。今回の福祉特集について同編集部は「現場での驚きを素人目線で載せることで、読者に届くことを意識した」と話す。
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ポパイ3月号

雑誌「POPEYE」(マガジンハウス)は2月7日発売の3月号で、福祉の仕事特集を掲載した。高齢、障害、子ども、困窮者など現場で働く若手職員を紹介。16ページにわたり写真と記事で魅力を伝えている。

 ポパイは1976年創刊の20~30代男性向けの月刊誌。ファッションやインテリアなどライフスタイルに関する情報を発信しており、3月号は「部屋とシティボーイ」がテーマだ。今回の福祉特集について同編集部は「現場での驚きを素人目線で載せることで、読者に届くことを意識した」と話す。

 最初のページでは、ヘルメットをかぶりチェーンソーを持った男性が森で木を切るインパクトのある写真を掲載した。社会福祉法人福祉楽団(千葉)の照井大さん(31)の日常の一コマだ。就労継続B型事業で家具の製作や農業などをしている。

 もともと建築を学んでいたが、大学院の恩師の紹介で家具職人の道へ。利用者の状況に合わせて仕事を考えるのもやりがいだとし「木を育てて、材料にして、作って売るストーリは強み」と話す。

また、社会福祉法人同和園(京都)の特別養護老人ホームで働く小嶋直也さん(26)は人生を笑顔で終える助けがしたいと就職したという。記事では「利用者には最期まで自然でいてほしい」と訴える一方で、試行錯誤しているエピソードもつづられている。

 さらに、社会福祉法人みねやま福祉会(京都)の山口泰平さん(24)は児童養護施設の役割を紹介し「親にも生きづらさがあって、それを子どもが引き受けるのが虐待のメカニズム」と現場の事態を話す。路上生活者を支援するNPO法人ほっとポット(埼玉)の吉高湧さん(24)は支援の過程で自分らしい生活を取り戻す過程を体験するのが達成感につながると語っている。

 このほか、お笑い芸人の安藤なつさん(メイプル超合金)、俳優の満島真之介さんのインタビューや、最新の福祉機器の紹介もある。

 今回の企画は、厚生労働省の「介護のしごと魅力発信等事業」の一環で、一般社団法人「FUKUSHI FOR CONVIVIALITY」が関わった。同法人代表の飯田大輔さんは「ポパイは1970年代から今に至るまで、最先端のコンテンツを作り続けている紙媒体。感度の高い若者に、福祉のクリエイティブな面が伝われば」と話す。特集は雑誌とは別に5万部印刷し、福祉関連のイベントでも活用していくという。