こんにちは。エン・ジャパンのコピーライター、青木です。
今年で入社5年目。これまでの日々を振り返ると、「こんな仕事をするためにコピーライターになったんだ」と嬉し泣きするような日もあれば、「私の書くものはきちんと届いているのかな?」と不安で眠れない日もありました。
特に新人時代は、思うようにコピーが書けずもがいていたのを覚えています。少しも自信が持てずにいた当時、仕事上で心強い存在だったのが、今回ご紹介する長南(ちょうなん)さん。2014年に新卒で入社した営業です。彼女とは、1年目に同じ業界を担当していた縁で、これまで何度もタッグを組んできました。
長南さんは、初対面の印象こそキリッとした雰囲気ですが、話しだすと "親戚のおねえさん" のような親しみやすさがある人。仕事となれば、それぞれの企業が抱える課題や、その打開案を分かりやすく説明してくれます。気安く意見を言い合える相手であり、お客様との向き合い方を教えてくれた先輩です。
彼女を頼るのは私だけではありません。 企業の経営者からは「長南さんはうちの人事顧問だ」と相談され、社内では「ソリューションの長南」と名高い存在。
しかし意外なことに、彼女は自身の新人時代を「同期の中で、自分が一番ダメだと思っていました」と振り返ります。そして、周囲に対して劣等感を抱いていたからこそ「指名で頼られる営業」になる努力ができたのかもしれない、と言うのです。
いったい、どのようにして劣等感を乗り越えてきたのでしょうか。どうすれば、周囲との差に苦しむだけで終わらないでしょうか。彼女の答えから分かったのは、彼女が貫いてきた「基本に忠実であれ」という姿勢の大切さでした。
「自分なんて同期に勝てっこない」...劣等感に悩んだ内定者時代。
長南さんがエン・ジャパンを選んだ理由は「自分にとって一番キツそうな会社だったから」というストイックなもの。覚悟を決めて内定を承諾したものの、入社前には自信が持てずに鬱々としていたと言います。
「劣等感しかありませんでした。同期はみんなデキる人に見えたし、面接をしてくれた先輩もキラキラしているし。それに対して自分は話すのが上手なわけでもないし、コレといった特技や知識があるわけでもないし...到底この人達みたいになれる気がしない...私なんてきっと2~3ヶ月で辞めちゃう! と思って、不安で仕方なかった」
内定者が集まる場では、自信たっぷりに振る舞う同期たちの姿に引け目を感じる。先輩女性の商談に同行すれば、その内容のレベルの高さに驚く。覚悟していた以上に、自分との差を意識させられたそうです。
しかし、具体的に何をして不安を拭えば良いかも分からない。志望していた企業に内定が決まってからの時間といえば、残り少ない大学生活を謳歌する人も多いでしょう。しかし長南さんは、今でも「あのときが、気持ち的に一番キツかったかも」と思い返すほど、辛い心境で過ごしていました。
自信がないからこそ、とにかく真似る。相談する。
そうして迎えた4月。自身の予想に反して、長南さんは同期の中でもスムーズに成長していきます。
「企業に電話なんてできるわけない!と怯えていたけれど、そんなことはなくて。意外とアポイントはもらえるし、企業の皆さんも優しく接してくれたんですよね」
「自信がないから、入社してからとにかく成功例の真似をしました。先輩から教わった台詞をそのままメモして、電話口で言うんです。一切アレンジしない完全な真似。でも、それが良かったんですね」
電話口でのトークはもちろん、商談の場で話す内容も、研修で教わった基本を守り続けたそうです。
「研修で習った、他社との差別化ポイントを伝えるようにしました。求人を出す前の採用基準作り、見極めのための適性テスト、定着・活躍のフォローまで長期的に伴走します、というエンのスタンスですね。お客様に "全く知らなかった" と驚かれることもありました」
教わった内容を端折ったりアレンジしたりしなかった理由について「自分は優秀じゃない、自分で何かをやるのが怖い、と思っていただけ」と笑う長南さんですが、成功例の取り入れ方に工夫がありました。
それは、「1つの案件で最低3人の先輩に質問する」ということ。
たとえば、同じ企業にアポイントをもらうためのトークでも、3人の先輩に聞けば3パターン出てきます。同じ「社員が定着しない」という課題の解決法でも、3人の先輩に聞けば違う解決策が出てくる。全案件で「最低3人に質問」を習慣づけた結果、自然と顧客の課題に切り込むレパートリーが増えていきました。
そして、入社1年目の12月。
長南さんは、採用を支援していたIT企業の社長から「応募者の中から、誰を採用するべきか迷っている」という相談を受けます。そのときの長南さんはもう、応募者や社員の適性テストの結果を吟味し、組織の状況と照らし合わせながら社長とディスカッションできるほどになっていました。
「採用が難しい小規模なIT企業でしたが、無事に内定が決まりました。それで、社長から "長南さんはうちの人事顧問だよ" とまで言ってもらえた。本当に嬉しかったです」
いつしか "私らしい強み" を持った営業になれていた
テストや教育など、採用の前後の工程まで踏み込んで提案するには、当然ながら組織のことを知らなくてはなりません。組織を知るほど、想定していなかった課題も出てきます。一見すると、面倒に思えること。それでもあえて長南さんは、長期的に伴走するという提案から軸をぶらしませんでした。
「だって、そのほうがエンらしいじゃないですか。やっぱり、商談に行くたびに感じるんです。どの企業も、スタンスや考え方、事業や採用に対して抱える課題が違うってことを。そうなるとやはり、求人広告ひとつであっても適した内容は変わります。適性テストや教育プログラムまで導入するとなったら、もう何百通りもあるんじゃないかな。それなのに、売ることだけを最優先にはしたくなかった。
あれもしなきゃ!これもしなきゃ!そうだ、別の会社で聞いたこんな制度を導入してみたらどうだろう? なんて、頭をフル回転させる。いつも "この企業のために何か新しいことができないか" と考えているから、飽きません」
彼女の営業としての姿勢は、着実に社内にも知られていきました。次第に、社内の各所から「大切なクライアントを長南さんに任せたい」と声がかかるように。
そして、数百人いる営業組織の中で1、2位を争うほどの年間売上を記録するまでになったのです。
「私は販売力のある営業ではないと思います。でも、真似から始めて、組織の深掘りという "私らしい強み" が確立してきました。そこにきちんと成果もついてくるようになった。もし2~3年目で悩んでいる人がいるなら、こんなふうに営業を続けていく道もあるんだってことを知ってほしいです」
自分のことを、大きく見せるわけでも小さく見せるわけでもない。あくまで基本を守り、等身大の自分で勝負を続けている長南さん。だからこそ、彼女の思いは社内外にしっかりと届くのかもしれません。
【編集後記】
私が長南さんと出会ったのは、コピーライターとして中途入社した年です。
当時の長南さんは入社半年。既に「しっかりした新人」として知られ、厳格なベテランコピーライターからも信頼されていました。気安く話せて頼れる存在だと思いつつ、内心「同い年でこんな優秀な人がいるのか」と歯噛みしていた記憶があります。
そのため、今回のインタビューで初めて聞いた「劣等感しかなかった」という言葉に驚きました。長い間、私は長南さんを誤解していたのかもしれません。「最初から何でもできる長南さん」だと思って羨んでいましたが、「何でも吸収できる長南さん」であり、吸収したことをまっすぐ自分の糧にしていたのですね。
「自信がない」と言うだけなら誰でもできます。劣等感を、自分への言い訳にしてしまうこともあるかもしれません。でも、劣等感も糧にして「基本に忠実であり続ける」と決め、ブレない行動を続けたから、今の長南さんがある。いつでも明るくペースを乱さない彼女の、地道な努力と強さを垣間見たインタビューでした。
【取材・文 青木みさき】
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