居酒屋チェーン大手「ワタミ」のトップに創業者の渡邉美樹さんが10月1日から、約6年ぶりに復帰することになった。
渡邉さんは代表取締役会長とグループCEO(最高経営責任者)を兼任。現在の清水邦晃社長も、代表取締役とCOOを兼任するため2トップ体制となる。ワタミの9月27日の役員会で決議したと発表された。
渡邉さんは1984年にワタミの前身となる「渡美商事」を設立。2013年に参院選比例区に自民党公認で立候補した際に、ワタミの全役職を退いた。参院議員の任期が終わった7月に取締役に復帰していた。
■ブラック企業との批判で「ワタミ隠し」か
社員が過労自殺したことなどから、過酷な労働を強いる「ブラック企業」と批判する声が広がったこともあり、一時は営業赤字に陥った。
しかし近年は「和民」や「わたみん家」といった主力の居酒屋を、鶏料理の「三代目鳥メロ」や、唐揚げ料理の「ミライザカ」など、ワタミグループだと分かりづらい店舗に転換する中で、業績が回復した。
テレビ東京系のニュース番組「ワールドビジネスサテライト」は2016年11月、「ワタミ隠しで業績回復!?」と報道したこともネット上で話題となった。
2019年3月期決算では、営業利益が前年同期比6割増しの10億円となっていた。