ワタミグループの居酒屋で働いてた26歳女性が過労自殺し、遺族が会社や当時代表取締役だった渡邉美樹・参議院議員らに損害賠償を求めている裁判の、第2回口頭弁論が3月27日、東京地裁であった。
この口頭弁論の直前に、ワタミ側が社員を大勢動員し、法廷のドア付近で遺族側の支援者の入場を妨害。傍聴席の大半を占めようとしたことが、裁判後に遺族側が開いた報告会で発表された。ツイッターなどにも「ワタミ社員が裁判の傍聴席を占拠」などと複数投稿されていたが、渡邉氏はこれらの指摘に対してFacebookで反論した。
一部本日裁判所で、被告側が傍聴席を占拠したとの指摘がありますが
原告、被告双方傍聴希望が多数あり、双方弁護士がその場で協議し、
最終的には原告側(2):被告側(1)と言う割合を受け入れ、
原告側支援者が過半数の傍聴席で裁判が行われたのが
「事実」です。
被告とされると、とかくすべてを否定されてしまいます。
一方的な声にかき消され「事実」が正しく伝わらないことがあります。
何卒「事実」を正しくご理解頂ければ幸いです。
(「渡邉美樹氏Facebook」より 2014/03/27 18:10)
当日の様子について、朝日新聞デジタルは次のように報じていた。
この日弁論があった705号法廷には、開廷時刻の1時間前から、ワタミ関係者と見られるスーツ姿の男性20人強が集まった。当初は42席ある傍聴席の半分近くを占めたが、遺族側支援者の抗議を受けて代理人同士が話し合い、一部を残して退出した。
(朝日新聞デジタル『ワタミ過労自殺訴訟、渡辺氏が争う姿勢 「見解に相違」』より 2014/03/27 19:59)
この裁判では、2008年6月に投身自殺した森美菜さんの両親が、自殺の原因は会社側が安全配慮義務を怠ったためとして、ワタミ側に対し約1億5300万円の損害賠償を求めている。
27日の裁判に出廷した渡邉氏は「道義的責任について重く受け止め、心よりの謝罪を申し上げます」などと述べ、法廷で頭を下げた。
しかし、ワタミ側は、恒常的な長時間労働ではなかったとして、請求棄却を求めており、渡辺氏も、遺族との争いを一日もはやく終えたいとの意思を示しながらも、見解の相違があるとして、司法の判断を仰ぐとしている。
心よりの謝罪の場に相応しくないとのご指摘を受けるでしょうが、ご遺族様が東京東部労働組合と共にされている申し入れを直ちにすべて受け入れることは残念ながら出来ず、法的責任の見解相違につきまして司法の判断を仰ぎ、司法の結論に従う旨を何卒お許し頂きたく、伏してお願い申し上げさせて頂きます。
ご遺族様との争いは一日もはやく終えたいとの願いと、見解相違は司法に委ねるしかない現実の狭間で悩む日々でございます。只、一日もはやく争いを終えたい意思がある旨はこの場を借りてお伝え申し上げさせて頂きます。
(「渡邉美樹氏Facebook」より 2014/03/27 18:10)
しかし、この陳述に対して美菜さんの母・祐子さんは報告会で、渡邉氏が「風評被害」という言葉を口にしたことを指摘。渡邉氏の謝罪は、心からのものではないと話した。
「渡邉氏は、争いが早く終わるようにと言っています。『風評被害』とも、パッと言ったので、自分のところの儲けが出ないから、早く終わらせて通常業務に戻りたいんだなと思って話を聞いていました」
(YouTube「3.27ワタミ過労死裁判報告集会(2)森夫妻の発言」より 2014/03/28)
関連記事