「ワタミは最低賃金ではない募集もある」渡辺美樹氏の反論が波紋

「ワタミのアルバイトは最低賃金と同額」と国会で指摘されたことへの渡辺美樹参議院議員の反論が波紋を呼んでいる。渡辺氏の反論でわざわざ下線が引かれていた高い時給の箇所が、深夜残業の法定割増分を足したものであったためだ。
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時事通信社

「ワタミのアルバイトは最低賃金と同額」と国会で指摘されたことについて、ワタミグループ創業者の渡辺美樹参議院議員は3月6日、Facebookで「最低賃金ではない職種の募集もしています」と反論した。

しかし渡辺氏が示した反論で、わざわざ下線が引かれていた高い時給の箇所は、深夜残業の法定割増分を足したものであった。

■発端となった参議院予算委員会での質疑

事の発端となったのは、共産党の小池晃議員の国会での発言だった。

小池晃議員は3月4日、参議院予算委員会において、最低賃金対策について安倍首相に質問した。小池氏はワタミグループの居酒屋が、13都道府県において、その地域の最低賃金で人材募集を行っていると指摘。「中小企業だからという言い訳は通用しない。十分に体力がある大企業が最低賃金で雇用している状況を放置して良いのか」と安倍首相に詰め寄った。

安倍首相は「最低賃金に張り付いている企業は、なかなか人材が集まらない状況をつくっていくなかで、賃金待遇あるいは職場環境の改善に、努力を傾注していかなければならない」と答弁しただけだった。

■渡邉美樹氏がFacebookで反論

この小池氏の発言に、渡辺氏は自身のFacebookに次のように反論した。

先日の参議院予算委員会で共産党の小池晃さんがワタミのアルバイトは最低賃金と同額だと指摘した件。

 

同一のアルバイト募集のホームページで最低賃金ではない職種の募集もしています。

 

職業選択の自由は憲法で保障されている議論の大前提です。

 

そもそも共産国家でない日本は、あの企業で働きたくないと烙印をおされ、経営がなりたたないリスクとも、経営者は常に向き合っています。内部留保に関しても、中長期で企業を維持、発展させる責任が経営者にはあります。経営者視点の発想、事情が理解できない政治家がいるのも仕方ありませんが「レッテル貼り」によって、日々の政治活動や経営がブレたり影響を受けることはありません。

 

同じ国会議員として、この国を「成長させる政策」で対決したいと思っています。

 

 

(「渡邉美樹氏Facebook」より 2014/03/06 17:49)

渡辺氏の投稿画像によると、高校生や清掃・仕込みスタッフは東京都の最低賃金である869円だが、ホール・キッチンは時給900円以上と最低賃金ではないことがわかる。ただし「※」として注記があり、研修の100時間は869円と最低賃金になっている。

■渡辺氏が下線で示した時給は、深夜残業の法定割増分を足したものだった

さらに、渡辺氏がわざわざ下線を引いて示した22時〜翌5時までの「時給1125円〜」については、実は時給900円に深夜割増の25%を加えた金額、つまり法律で割増が義務付けられている額に過ぎなかった。

■ネットでは「最低賃金で募集して何が悪い」などの声も

渡辺氏の反論に対し、Facebookには「最低賃金で記載する事が何が悪いのか」「小池さんの指摘は、マスコミ受けする情けない質問」など、渡辺氏の投稿を擁護するコメントが30件以上寄せられている。

また、Twitterやブログなどでは、13都道府県以外は最低賃金ではないということから、「ワタミは頑張っているとも受け取れる」と指摘する声や、「ワタミはそもそも体力がない会社」とする意見、また「最低賃金で雇わなければならないような会社を置いて国会議員になるべきか」という投稿もみられた。