アメリカ最大級の核汚染「ハンフォード」:解雇された技術者の証言【争点:エネルギー】

ハンフォード・サイトは、アメリカで最も汚染がひどいと言われている核施設だ。原子爆弾作成のマンハッタン計画でプルトニウムの精製が行われた場所であり、その後の冷戦時代も精製作業が続けられた結果、アメリカで最大級の核廃棄物をかかえた場所として、その処理が継続されている。
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「ハンフォード・サイトの安全性について警告した結果、私は解雇された」。ウォルター・タモサティス氏はHuffPost Liveでそう証言した。同氏は、アメリカのエンジニアリング企業URSコーポレーションで44年間にわたって原子力技師として働いていた人物だ。

ワシントン州シアトル市から南東350キロメートルに位置するハンフォード・サイトは、アメリカで最も汚染がひどいと言われている核施設だ。原子爆弾作成のマンハッタン計画でプルトニウムの精製が行われた場所であり、その後の冷戦時代も精製作業が続けられた結果、アメリカで最大級の核廃棄物をかかえた場所として、その処理が継続されている。

連邦政府はハンフォードプロジェクトに年間20億ドルを費やしており、現在は約1万1000人が、廃棄物の移設(177個ある地下タンクからの放射性廃液の漏洩が問題になっている)、建築物や土壌の除染等に従事している。当初「30年以内に完了する」とされた浄化計画のうち、2008年時点で終わっていたのは半分未満だった。

ハンフォードに建設されている放射性廃棄物処理施設(高レベル放射性廃液をガラス固化体に変えるプラント)の安全性についてタモサティス氏が初めて問題提起したのは2009年。同氏は2011年にも再び、同施設の設計は安全ではないと警鐘を鳴らした。

規制当局も同氏の主張の正当性を認め、建設は一時停止されたものの、タモサティス氏は、100人の科学者を率いる地位から、窓のない地下のオフィスにある部署に配置替えされた、と「ロサンゼルス・タイムズ」紙は伝えている。(Wikipediaによると、同プラントの建設は2001年に開始され、2011年には操業開始のはずだったが、「深刻な技術的管理的問題」のために延期され、2013年の段階では、建設費用は134億ドル、操業開始が2022年とされている。)

同氏は結局、2013年10月に解雇された。ロン・ワイデン上院議員(民主党-オレゴン州選出)およびエドワード・マーキー上院議員(民主党-マサチューセッツ州選出)は先日、米エネルギー省アーネスト・モニス長官宛てに、タモサティス氏の解雇についての書簡を送り、安全性向上を掲げる同省の姿勢が疑われるのではないかと訴えた。

「仕事は自分にとって天職だった」と、タモサティス氏はHuffPost Liveで語っている。「若者とともに働き、彼らを教育し、核廃棄物サイトを浄化して国のために貢献できるこの仕事に、私は心からやりがいを感じていた」

[James Gerken(English) 日本語版:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ]

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