こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
認可保育園への入所可否が判明するシーズンであり、ネット上ではこの
「うちの自治体は待機児童ゼロをうたっているのに、入れなかったじゃないか問題」
が激しく議論されています。すでに多くの方が解説している通り、これは待機児童の定義が自治体によって異なるためです。
駒崎弘樹氏『「保育園に入りたい」を可視化しよう』より抜粋
例に上がっている横浜市の場合は、「保育所に入れず育休をやむをえず延長した場合」や、「自宅で求職中の場合」は待機児童に含めないとしています。
また多くの自治体でも、やむを得ず高額の無認可保育所に通っている場合は待機児童としてカウントされません。
違いが生まれるすべての項目が網羅されているわけではありませんが、東京都内の基礎自治体はどうなっているかというと、下記のような状態です(東京都が実施した調査による、都資料より抜粋)。
この2つの定義だけでも、まさに「バラバラ」な状態であることがわかります。
「なぜこんな状態になってしまうんだ!」
「東京都が指示をして、せめて都内だけでも統一すればいいじゃないか」
と思われる方は多いと思います。これは厚生労働省(国)からの通知により、待機児童をカウントする裁量が基礎自治体に委ねられているからです(参考資料)。
実際に保育所を運営しているのは基礎自治体であり、そこに国からこうした通知が発令されている以上、広域自治体である東京都が法令を覆して定義を統一することはできないのが実情です...。
もちろん、だからといって東京都も無為無策ではなく、昨年11月から行われている都内各地の首長たちとの会議体において、待機児童の統一基準について話し合いが持たれています。
ただこちらについても、無認可に通っている児童を待機児童にカウントするか否かなど、首長によって考えが異なり、統一基準を設けることは容易ではありません。
一番てっとり早いのは、国がトップダウンで通知の内容を変更することですが、それにはより強い世論の後押しが必要になります。駒崎弘樹さんが推奨しているように、不承諾通知をネットにアップして意見表明することにも効果的かもしれません。
私も都議という立場から、待機児童のより現実に即した基準での統一が進むよう、政策提言をしていきたいと思います。
それでは、また明日。
(2017年2月3日「おときた駿オフィシャルブログ」より転載)