教育現場でタブレット教材の導入が進んでいる昨今、国は2020年までに小中学校の生徒1人に1台タブレットを持たせるという目標を掲げています。すでに新年度の4月から実施している自治体もあり、今後ますます全国的に広がっていきそうです。そんな中、進研ゼミのチャレンジなど、多くの通信学習も既にタブレット教材を取り入れています。近い将来、学校の教科書もすべてタブレットに、なんていう日が来るかもしれません。
この「タブレット学習」については、すでに導入しているご家庭と、やっぱり紙に書いて学習させたいというご家庭に分かれると思います。
今回は「タブレット派」と「紙派」について、それぞれのメリットやデメリットなども紹介していきます。どちらにしようか迷っている方、必見です!
タブレット教材はどんな内容? 紙とどう違う?
実際にタブレット学習をしているお子さんを持つ方に、どのような内容なのか、子どもがどうやって学習しているのかを聞いてみました。
進研ゼミ チャレンジタッチ
〈どんな内容?〉
英語や国語は読み上げ機能があるので、聞きながら一緒に発音したり読んだりしています。理科や算数の特に図形などの勉強では、動きのある解説をしてくれるので、授業を受けているようでわかりやすいようです。
練習問題は、1問ごとに答えて送信すると、すぐ丸付けされて返ってきます。間違えた問題は、丁寧で分かりやすい解き方も教えてくれます。紙だけのときは、丸付けすらせずにやりっぱなしだったことも多いので、すぐにフィードバックされるというのがいいですね。
〈子どもはどうやって学習している?〉
1回20分ほどで終わる内容・量なので、朝起きて着替えた後、朝食までの時間自分から進んでダイニングテーブルでタブレットで学習しています。私から見ても、楽しそうにやっていますよ。今のところは...(笑) 〔Tさん、子ども11歳、7歳〕
どらゼミ デジタルドリル
〈どんな内容?〉
漢字や計算に力を入れていると感じますね。うちの子は漢字が苦手なので、繰り返し同じ問題を出して徹底的に覚える「徹底反復デジタルドリル」をメインにやっています。紙だけのときは、間違えても復習することがなかったので......、学校の漢字テストで最近、毎回満点を取ってくるのは、そのおかげかな?
〈子どもはどうやって学習している?〉
恥ずかしながら、忙しさを理由に子どもの勉強にはノータッチなのですが、このデジタルドリルはゲーム感覚で楽しみながらできるのか、学校の宿題が終わった後に自分から進んでやっています。「1回10分でできる!」と宣伝しているものらしいですが、もっとやってますね(笑) 〔Yさん、子ども10歳、7歳〕
Z会のタブレット学習
〈どんな内容?〉
1年生のときに、ママ友から「Z会は溜まりがちな付録がついてなくていいよ」と勧められたので、ずっとZ会です。2016年度から小学生向けのタブレット学習が始まるという情報を聞いた3年生の息子が、「それやりたい!」というので、やる気を汲んであげようと。
タブレットだと、紙に書くことがなくなってしまうのかな?という不安もありましたが、国語などは、タブレットで漢字の形や読み方、書き順を学んだあとに、冊子教材を使って紙に書くという手順を踏んでいて、「実際紙にも書くのね」と安心しました。
〈子どもはどうやって学習している?〉
学校の宿題はやらないのに、学童から帰ったらすぐタブレット学習はします(笑) 毎回学習の終わりに、画面上で動物・乗り物・パズルなど、いろいろなテーマで学習へ取り組めるゲームがプレゼントされるので、モチベーションも上がるようです。〔Nさん、子ども9歳〕
ゲーム感覚でできるから、勉強の習慣がついた! ~タブレット派〜
続いて、タブレットに切り替えたママたちの意見や、感じたメリット・デメリットなどを聞いてみました。
進研ゼミ チャレンジタッチ
ゲームばっかりしていて、私がいくら勉強するよう言っても「後でやるから」「うるさいなー」となかなか取り組まなかった息子。本人の希望で、5年生の春にチャレンジタッチにしてから、朝起きてすぐに取り組むようになりました。彼にとってはゲームの延長なのかもしれないけど、自分から机に向かってくれることが最大のメリットです。一方で紙に書く学習がほぼ学校の宿題だけなので、試験本番に弱くなってしまうんではないかと......少し不安です。〔Tさん、子ども11歳、7歳〕
どらゼミ デジタルドリル
3年生の2学期から、私自身が興味をもっていたこともあり、タブレット学習に切り替えました。冊子教材のときは「ここがわからない」と聞かれても、忙しくすぐに対応できなかったのですが、タブレットだと私が対応できなくても、わからないことにすぐ答えてくれるし、問題もすぐに添削されて帰ってくることがメリットですね。
デメリットは、タブレットに集中しすぎてしまうことかな。もう少し早く切り上げて、本を読んだりしてほしい。〔Mさん、子ども9歳〕
やっぱり「書いて覚えること」が大切 ~紙派〜
タブレットには移行せず、書くこと中心の紙(冊子)教材を選んだママたちの意見や、感じたメリット・デメリットを紹介します。
進研ゼミ チャレンジ
私の考えが古いのかもしれませんが、勉強って楽しいだけじゃなくて、ときに「つらい、大変」という感覚も持ってやらないといけないと思うんです。それで答えが出たときは本当にうれしいし、記憶にも残る。タブレットなどのデジタルだと、とにかく楽しく面白く、わからないところは送信すればすぐ返信が来てわかるなど、ストレスなく勉強が進められる。それはそれでいいと思うのですが、わからなければ自分で辞書などで調べたり、親に聞いたり...... それも「学び」のひとつだと思います。だから私は紙を選びました。
メリットは、答えに行きつくまでの過程を自分で考えたり悩んだりできるところかな。デメリットは、私が言わないとやらない、要は習慣づいてないところです(苦笑)〔Tさん、子ども12歳、9歳、2歳〕
Z会
タブレットに移行しそびれた、というのが正直なところですが、紙でよかったと思います。鉛筆を持って書いたことって、タブレットでスイスイ書くより、頭の中に入っているんですよね。私もついつい携帯やパソコンばかり使って、字を書かなくなってから急に漢字が書けなくなったし、書く文章も散漫な内容になってしまう気がするんです。それはそのまま子どもにも当てはまるんじゃないかと。
明確なメリット・デメリットというのは思いつきませんが、とにかく「鉛筆で書く」ってとても大切な作業だと思います。〔Kさん、子ども10歳〕
その子なりの「長く続けられる、身につく勉強方法」を見つけることが大切
タブレット学習の大きな魅力は、「子どもが自分から進んで学習してくれる」と感じている方が多いようです。その反面、ゲーム感覚でただ楽しく面白く勉強してしまうので、それはそれでどうなんだろう...... と疑問に感じてタブレットにしなかった方もいました。
どういう学習方法がいいのかは、子どもが実際やってみないとわからない部分もたくさんあります。
今どちらにしようか悩み中であれば、一度タブレットを試してみて、そのメリットやデメリットを実感してみてから改めて子どもと相談して決めてみるのもいいですよね。
どこの通信教育も「タブレット学習体験」ができるので、それを試してみることもおススメします。
モチベーションを保ちながら長く続けられて、かつ身につく学習方法を、お子さんと一緒に見つけてほしいと思います。
ライター 田崎美穂子
元大学出版会編集者、大学生向けのテキスト編集を担当。小学校5年、3年、1歳児の母。ママ友ネットワークを駆使した共感できる記事を執筆
------------------------------------
ワーママを、楽しく。LAXIC
------------------------------------
LAXICは、「ワーママを、楽しく」をキャッチフレーズに子育ても仕事も自分らしく楽しみたいワーママやワーパパ、彼らを取り巻く人々のための情報を集めたWEBメディアです
■合わせて読みたい記事
・【今ドキのおけいこ事情】 話題の小学生向けプログラミング教室に潜入してきました
・幼児向け通信教育を徹底比較
・スマホやタブレットって子どもにどういう影響があるの?