フォルクスワーゲン(VW)は、世界規模に波及した排出ガス不正問題への対応を現在も続けているところだが、このドイツ企業は2016年第1四半期の販売台数で、めでたくも世界一の自動車メーカーに輝いた。
VWは2016年1月~3月にグループ全体で251万台を販売し、トヨタの246万台をわずかに上回ったと、金融情報サービスの『Bloomberg』が伝えている。続く3位はゼネラルモーターズ(GM)で、236万台を売り上げている。
VWグループ全体の販売台数は、前年同期比0.8%の微増となった。
欧州とアジア地域における販売が好調で、特に中国では6.4%と大きな伸びを見せた。その一方で、北米では排出ガス不正問題が販売台数に影響し、2.1%の減少。米国だけでは5.7%、南米では27.6%減と大幅にダウンした。
トヨタの販売台数は、前年の同時期と比べ2.3%減少した。同社は今年2月、国内供給元からの特殊鋼部品の在庫が不足する不測の事態に見舞われ、国内すべての車両組立工場が1週間の操業停止に追い込まれたのだ。
さらに第2四半期も熊本地震により工場の稼働停止を余儀なくされる厳しい始まりとなっている。
今なおいくつかの組み立て工場は閉鎖されているが、トヨタは27日、再稼働のめどが立っていなかった4カ所の車両組み立て工場を連休明けの5月6日から稼働させると発表した。
GMが発表した決算結果によると、同社の第1四半期は前年同期比で2.5%減となった。ただし、米国内では好調で、小売販売が7%増加した。
世界トップの座に輝いたVWだが、決して浮かれているわけにはいかないだろう。このドイツ企業は昨年の上半期にも販売台数世界一の自動車メーカーとなったものの、排出ガス不正問題によって首位から転落した。
By Chris Bruce
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
(2016年04月29日 Autoblog日本版「フォルクスワーゲン、排出ガス不正問題を経てもなお世界販売台数トップに」より転載)
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