東京都は騒音規制について定めた「環境確保条例」について、現在は規制対象となっている子供の声を除外するかどうかの検討を始めた。東京都環境局の担当者はハフポスト日本版の取材に対し「被害の実情を踏まえ、規制の対象から子供の声を除外するか、基準を緩めるなどの対応を検討する」と述べた。
現在の環境確保条例では、子供の声は騒音規制の対象外とされていないため、基準を超える騒音であれば規制の対象とされる。そのため、子供の声への苦情が訴訟に発展するケースもあり、施設の利用時間を制限したり、公園の一部の使用を制限する仮処分を受けたりする事例があった。
しかし、都議からは「子供の声が騒音とされるのはおかしい」という異論があり、ドイツで子供の声を騒音規制の対象から除外している事例も指摘されている。これを受けて都は、都内62の市区町村に対しアンケートを実施。個人の住宅などへの苦情ではなく、保育園や幼稚園・学校などの施設における子供の声について苦情があったかどうかを聞いたところ、42の自治体から、1年間で1〜6件ほど苦情が寄せられていたとの回答があった。
東京都の担当者は「実際に被害にあっている人もいる。一方、待機児童対策などで保育施設の建設を急ぐ声も聞かれる。バランスを踏まえて検討を行いたい」と述べた。
騒音に対する基準は、場所柄や時間帯によって細かく定められている。東京都は実際に条例の運営を行う区市とも連携して、検討を進めるとしている。
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