【エボラ出血熱】道端で横たわっていた犠牲者を遺体袋に回収しようとしたら...(閲覧注意・動画)

アメリカABCニュースは10月2日、エボラ出血熱が大流行しているリベリアでショッキングなシーンを撮影した。

アメリカABCニュースは10月2日、エボラ出血熱が大流行しているリベリアでショッキングなシーンを撮影した。同国の首都モンロビアで、道端の遺体を片付けようとしている埋葬チームを取材中のことだ。

ABCのリチャード・ベッサ―特派員は、街の通りに放置状態になっていた、エボラ出血熱の犠牲者らしき人の体の周囲を、遺体回収チームが漂白剤で消毒しながら(これは感染の拡大を防ぐために必ず行う予防策だ)、遺体を片付けようとしている様子を取材していた。だが、遺体回収チームがその体を遺体袋に入れようとしたところ、その男性の手が動いたのだ。

「まだ生きている!」とベッサ―氏が叫ぶと、近くに集まっていたリベリア人たちも叫び声を上げた。

住民らがベッサ―氏に語ったところによれば、彼らはこの数日間、路上で倒れたまま苦しんでいるこの男性のために助けを求めたが、誰も来てくれなかったという。だが、この男性が亡くなったと報告すると、1時間もしないうちに埋葬チームがやって来た。

「彼らは、誰かが死んだときしか来ないんだよ」と、この地域の指導者は取材陣に語った。

リベリアは、エボラ出血熱の主戦場となっている西アフリカ3カ国のひとつで、エボラウイルスによる死者が2000人近くに達するなど、今回の流行により最も大きな打撃を受けている。同国では病床不足が深刻な状況であり、国際的な支援もエボラ出血熱の拡大ペースに追いつくことができずに苦戦している(リベリア軍がウイルスの拡大を防ごうとして、住民たちを暴力的に押さえつけながら貧民街を封鎖している写真集についての日本語版記事はこちら)。

ベッサ―は医学博士でもあり、ABCで医療分野の編集責任者を務めている。慈善団体ELWA(Eternal Love Winning Africa)がリベリアで運営するELWA第2病院内にあるエボラ出血熱隔離施設内の撮影を許可された初めての医学ジャーナリストだ。

一方、子供支援の国際組織「セーブ・ザ・チルドレン」英国本部は10月1日(現地時間)、シエラレオネでは、「1時間に5人」の割合でエボラ出血熱感染者が増えていると発表した

セーブ・ザ・チルドレンによれば、シエラレオネでは9月第4週だけで新たなエボラ出血熱感染例が765件あったと推測されている。だが、同国には現在、感染者を収容できるベッドの数が327床しかない。

感染を抑える思い切った対策を採らない限り、10月末までには「1時間に10人」のペースで感染者が増えるようになる、とセーブ・ザ・チルドレンは予測している。

さらに、アメリカ保険福祉省に所属する疾病予防管理センター(CDC)の推定によれば、効果的な対策がなされない場合、リベリアとシエラレオネのエボラ出血熱感染者数は、2015年1月末までに140万人に達する可能性があるという。感染者が生き延びる確率はわずか30%とされている。

[Charlotte Alfred(English) 日本語版:佐藤卓/ガリレオ]

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています