ヴィーガンレザーは本当にサステナブルなのか?

環境問題における他の多くの難題と同様、明確な答えはない。通常のレザーとヴィーガンレザー、どちらにも長所と短所があるのだ。
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Eva-Katalin via Getty Images
レザーバッグを持った女性(イメージ画像)

地球のことを考え、プラントベース(植物由来)の食事に挑戦したり、スキンケアの原料をチェックしたり...。次のステップは、いよいよクローゼットの中を見直すことではないだろうか?

ステラ・マッカートニーなど、サステナブルな商品で有名な高級ブランドに続き、身近なお手頃価格のブランドなども発売し、2020年にはもはや主流となっていったヴィーガンレザー。

もし地球環境のために動物性のものを一切断ち、ヴィーガンになるのなら、この代替品に切り替えた方がサステナブルな選択なのだろうか?

環境問題における他の多くの難題と同様、明確な答えはない。通常のレザーとヴィーガンレザー、どちらにも長所と短所があるのだ。

そして、この問題をさらに難しくしているのは、すべてのヴィーガンレザーが同じように作られているわけではないこと。つまり、最終的には自分の優先順位にうまくマッチする製品を見つけることが重要になる。

環境に配慮した買い物をすることは簡単ではない。そこで、あなたに合った選択をするために必要となる情報を紹介しよう。

【ヴィーガンレザーとは?】

ヴィーガンレザーとは、基本的にはフェイクレザーのこと。動物の副産物を使用せず、通常のレザーのような見た目と質感のある素材で、バッグやジャケットなどに使用される。

イギリスのヴィーガン協会の広報であるサマンサ・キャルバートさんによると、「価格には大きなばらつきがあり、一部の商品は他よりずっとサステナブルだと謳っているものもあります」と話す。

「ヴィーガンレザー」と表示されている製品の中には、天然素材を利用した比較的新しい製造工程で生産されたものもある。例えば、パイナップルの葉の繊維から作られた天然繊維ピニャテックス(Pinatex)や、キノコから作られたマスキン(Muskin)などがある。

他のヴィーガンレザーには、ゴムやコルクを使用したものや、ポリウレタンやポリエステルといったプラスチックだけを使用したものもある。

つまり、地球を守るためにヴィーガンレザーを買ったのに、実は知らないうちに、さらなるプラスチック生産に加担していた...ということになりかねない。

選ぶのは簡単じゃない

ただのプラスチックを「ヴィーガンレザー」とブランディングし直している企業の中でも、製品工程は様々だ。新品のプラスチックを使用しているところもあれば、再生プラスチックを使っているところもあり、その区別をラベルから見分けるのは容易ではない。

気候変動活動家でヴィーガンのベニーシャ・ラ・マナ氏は、一部のヴィーガンレザーのマーケティングを疑問視している。「この服が地球に害を与えていれば、結局は動物にも影響を与えます。それのどこがヴィーガンなんでしょうか?」

「一般的に言うと、レザーはより耐久性があって、いずれは生分解されます。でもプラスチックは私たちよりも長生きし、長期的には動物たちに害を与えることになるかもしれません」と彼女は語る。

しかし、キャルバート氏は、社会的にプラスチック製品を回避する最近の動きがある一方、通常のレザーを含む他の素材も同様に環境に悪いと主張する。

「レザーの環境負荷を考える時、牛が消費する水や食料、必要とする土地の広さ、廃棄物とメタンガスの排出量、そして、どれだけの化学物質が皮なめし産業で使用され、労働者に悪影響を及ぼしているかを、多くの人は考慮していません」

サステナブル・アパレル連合が作成した指標、Higg Material Sustainable Indexによると、牛革はポリウレタンでできたヴィーガンレザーと比較し約3倍も環境に有害だという。

「レザーのなめし加工は世界で5番目に大きな汚染の脅威と指摘されており、180万人に直接影響を与えています」とキャルバート氏は述べる。

「プラスチックでできているからといって、それが環境に最も悪い選択肢というわけではありません。実際に、牛革の腐敗を防ぐための加工の環境負荷を考えたら、動物のレザーはサステナブル素材リストで最下位に位置するでしょう」

環境負荷を気にする消費者はどうすればいいの?

ここで重要になるのが、あなたにとっての優先順位だ。動物保護を目的でヴィーガン生活をしているのであれば、もし新品のプラスチックからできていたとしてもヴィーガンレザーを選択するのが良いかもしれない。でも、あなたにとって環境問題も同等に重要なら、どこかで妥協点を見つける必要がある。

ラ・マナ氏は自身をヴィーガンと認識しており、ヴィーガン食を実践しているが、個人的にはヴィーガンレザーではなく、ヴィンテージの本物のレザーを選ぶという。

「これはヴィーガンコミュニティーを二分する決断で、この選択により、私はもはやヴィーガンと呼ぶべきではないと言う人もいます。その気持ちは分かります」と彼女は続ける。

「最終的に、私は倫理的な理由だけでなく、地球の環境のためにヴィーガンであり、ファッションやアクセサリーを購入する際の目標は、新品を買わないことです」

「私たちは今、物に埋め尽くされています。そして、新品は全て、生産・輸送・マーケティングなどの工程を経ており、貴重な化石燃料を燃やしているのです」

ヴィーガンレザーを購入する際は、ラベルに記載されている素材を確認し、十分な情報を得た上で選択しよう。天然素材から作られたヴィーガンレザーは比較的高価だが、地球を救うためにお金を貯める価値はあるかもしれない。

ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。