ウクライナに住む、話題の「リアル・バービー」

英語版の「GQ」誌は4月号で、バービー人形の生きたレプリカのような外見で有名になったウクライナ人のモデル、ヴァレリア・ルカノワさんを紹介する記事を掲載した。

英語版の「GQ」誌は4月号で、バービー人形の生きたレプリカのような外見で有名になったウクライナ人のモデル、ヴァレリア・ルカノワさんを紹介する記事を掲載した。

ウクライナ南部のオデッサに住むルカノワさんを訪ねてインタビューを行った作家のマイケル・アイドフ氏は最初、「バービー人形のことばかり考えて」育った少女に会うものと思っていた。ところが、実際に出会ったのは「人種差別主義の宇宙人」だったという。

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ルカノワさんの容姿についてアイドフ氏は、「真新しいヘア・エクステンションはシャルドネの白ワインのような色合いで、ウソみたいに小さなヒップまでまっすぐに降りている。彼女の口は、半分だけうつろに笑ったまま凍結した感じだ。歯は小さく、ほとんど透き通っている」と書いている。

「手には、ランタンのような形のハンドバッグを抱えている。スカイブルーのトップスには、片目で笑う骸骨のピンバッジが留められているが、そのバッジは、豊満なシリコン製のバストによって脇へ押しのけられている。彼女のからだ全体が、そのバストを中心にアレンジされている感じだ」

ルカノワさんは、自身の美意識についてこう語っている。「誰でもスリムなカラダを望んでいる。誰もが豊胸手術をしている。顔に気に入らない部分があれば、誰もが手を加えている。そうでしょ。誰もが理想的なバランスを求めて努力する。それがいまの世界的な傾向よ」

だが、何よりも強くアイドフ氏の反感を買ったのは、混血を「退化」と表現したルカノワさんの考え方だった。「たとえば、ロシア人がアルメニア人と結婚して子供ができると、かわいい女の子でも、父親の大きな鼻を受け継いでしまう。その子は鼻をちょっと削ってもらって、それで問題なしってことになる」

「民族は混ざり合い、退化しようとしている。昔はそんなじゃなかった。1950年代、1960年代には、手術なんかしなくても美しい女性が大勢いたでしょう? いまや、そうした退化のおかげで、このありさまよ。私は自分の北欧的なイメージが好き。肌は白いし、典型的な北欧型よ。まあ、少しは東バルト人的だけど、北欧に近いの」

アイドフ氏は、それ以外は、ルカノワさんとその極端な考え方を何とか理解しようとしている。ルカノワさんは「子供を持つ」という考えが「ひどくゾッとする感じ」を催させると語っているほか、これまでも、光と空気だけを食べて生きていきたいとか、自分はタイムトラベルしてきた導師である、などと突飛な発言を行ってきた。

アイドフ氏はこう書いている。「世間と私は、このリアル・バービーを根本的に誤解していたのかもしれない。彼女がどこまでも現実離れしていくのは、何かへの服従でもなければ、名声を得るため、あるいは良い夫をつかまえるためでもない」

「他人にはどれほど支離滅裂で、異様で、犠牲の大きいやり方に見えようとも、それは彼女なりの、いくらかの自由を手に入れるための脱出の試みなのかもしれない」

インタビューの全文はこちら。以下のギャラリーでは、ルカノワさんのさまざまな画像を紹介している。

[(English) 日本語版:ガリレオ]

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