ヴァギナ・ミュージアムが開館へ。人類の半分が持っているのに語られない現状を変えるために

ハフポストUK版の記者がオープン前のミュージアムを徹底レポート
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展示の前に立つ筆者
RACHEL MOSS

館内にはキラキラのタンポンに女性の外陰部... 

私がいるのはヴァギナ・ミュージアム。世界初、ヴァギナに特化した教育の場所だ。過去に一時的な展示としては存在したものの、常設としては初めてとなる。

世界の人口の約半分が持っているにも関わらず、いまだにヴァギナには迷信や秘密がつきまとう。それを変えようと立ち上がったのが、ミュージアム・ディレクターのフローレンス・シェクターさんだ。

クラウド・ファンディングにより、1000人以上から総額5万ポンド(約700万円)の寄付が集まり、世界初のヴァギナ・ミュージアムが、11月16日にロンドンにオープンする。ハフポストUK版は一足先に、その館内へ訪れた。

莫大な予算のかけられた夢のような国...ではないが、展示50%、ショップ50%で構成されたミュージアムは、ヴァギナに関する多くの知識や楽しい商品でいっぱいだ。

ここで是非、ミュージアムの初の展示から学べる6つの知識を紹介したい。

私たちの人体は本当に複雑

生理用品などを扱う英ブランドBodyformの調査によると、73%の女性が「外陰部」が何か知らないという。このミュージアムは、そんな足りない情報を補足してくれるだろう。

展示の1つは6枚の透明なパネルにそれぞれ女性器の部分の特徴が書かれており、より良く学ぶことができる。

 

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展示
RACHEL MOSS

 

ヴァギナの商品はたくさんある!

ジュエリーからTシャツ、クリスマスカードまで... ミュージアムには、想像を絶する種類のヴァギナや女性器関連の商品が並んでいる。ストアにはフェミニストやヴァギナを題材とした本もたくさん置いてある。もしそれらに魅力を感じないのであれば、ロゴ入りの鉛筆も売っている。

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商品
RACHEL MOSS

 

ヴァギナがあるのは女性に限られていない

ヴァギナがあるのは女性に限られていないし、ヴァギナがあるからといって自身を女性と自認している訳ではない。ミュージアムはトランスジェンダーやノンバイナリー、インターセックスの人々にも開かれている。館内の展示は「生物学的性別はジェンダーとは違う」という趣旨で構成されている。

ヴァギナや生理は祝福されるべき

もっとも勇敢な展示は、きっと「グラムポン」と題された作品だろう。
近年、生理用品の広告などで血を青い液体などで描写することに、批判の声もある。しかし、ミュージアムのキュレーター、サラ・クリードさんは、ミュージアムの核心にあるのは「楽しむ」ことであり、ヴァギナや生理は祝福されるべきことである、という。

「人々に本当に浸透させたいことは、生理に誇りを持って欲しい、ということです。... それは汚いこと、有害なこと、ましてや体のどこがおかしいからとか体調不良によるものではありません」

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グラムポン
RACHEL MOSS

 

「バージン」は社会が作り出した概念

「初めて性行為をしたとき、体内で生理学的・生物学的な変化はありません。つまり、バージンという概念は科学ではなく社会によって作り上げられたものなのです」と展示は説明する。

この概念の中核にあるのは、処女膜とその役割に関する誤解...特に、処女膜はバージンの証だという迷信(事実ではない)を解くことだ。

コカコーラは避妊薬ではない

ミュージアムでは避妊に関する社会の歴史についての展示もある。

アメリカの女性は1950年〜60年代、避妊具・避妊薬が広く出回っていなかったとき、大胆な「家庭治療法」を考案していたという。そしてその際、コカコーラが代わりになる、という迷信が生まれたようだ。

妊娠したくない女性は、コーラが殺精子剤になると信じ、ドリンクを振り、体内へ入れ込んでいたという。もちろん、間違った考えであり、効果はない。

「根本的に、金属のサビをコーラで落とすことができるということを踏まえ、もしヴァギナの中にコーラを入れたらどうなるか想像してみてください」とクリードさんは話す。

 

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ヴァギナ・ミュージアム
RACHEL MOSS

ミュージアムは今後、ヴァギナの奇妙な迷信や商品の歴史についての展示を計画している。

ヴァギナ・ミュージアムは11月16日から無料で一般公開される。

ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。