11日の米国株式市場は不安定な取引のなか、急落して終了した。日銀が政策据え置きを決めたことで市場に失望感が広がった。
ダウ工業株30種
ナスダック総合指数
S&P総合500種
主要指数は寄り付き後に1%を超えて下落。取引中盤には下げの大部分を回復したものの、終盤にかけて売りが再び加速した。ただ、全体的な売買高は平均的な水準だった。
S&P500種指数の最大の重しとなったのが金融株
日銀は11日の金融政策決定会合で、4月に導入した資金供給量の倍増を目指す異次元緩和の継続を決定。ただ、長期金利の過度な変動を抑える策として市場で期待されていた長期資金供給については、その是非を議論したものの、今回は実施を見送った。
米国では米連邦準備理事会(FRB)が資産買い入れ規模を縮小させる可能性があるとの観測から市場は神経質になっており、日銀の決定を受け、米10年債利回りは一時2.3%に迫り、1年2カ月ぶりの水準に上昇するなど、金融市場は大きく動いた。
スティフェル・ニコラウスの市場ストラテジスト、ケビン・カロン氏は、「株価はこれまで、主に企業決算と経済情勢の改善に支えられ上昇してきたが、その背景には常に、各国中銀による緩和措置が資産価値上昇に一役買っているとの考えが存在した」と指摘。
「ここにきて、将来に対する期待を若干引き下げる必要があるかもしれないとのメッセージが各国中銀から聞かれるようになってきた」とし、日銀が大幅な追加緩和を決定しなかったことで、こうした見方が強まったと指摘。「世界各国で見られる株安は、こうした不安感を反映したものだ」と述べた。
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ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、ナスダックの3市場の出来高は63億8000万株と、年初来平均とほぼ一致した。
騰落銘柄比率は、ニューヨーク証券取引所が1対6.6、ナスダック市場が約1対2.8だった。[ニューヨーク 11日 ロイター]
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル)
終値 15122.02(‐116.57)
前営業日終値 15238.59(‐9.53)
ナスダック総合
終値 3436.95(‐36.82)
前営業日終値 3473.77(+4.55)
S&P総合500種
終値 1626.13(‐16.68)
前営業日終値 1642.81(‐0.57)