米フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁は7日、朝方発表された5月の米雇用統計について、政府の歳出削減が懸念されたほど成長に打撃を及ぼしていないことが示されたとの認識を示し、債券買い入れを「直ちに」縮小すべきという自身の見解をいっそう強固にするものだと述べた。
ロイターとのインタビューで語った。
米労働省がこの日発表した5月の雇用統計は、非農業部門雇用者が前月比17万5000人増となり、市場予想の17万人増をやや上回った。失業率は7.6%と、前月の7.5%から上昇した。
総裁は統計について、「穏やかなペース」で雇用が創出されていることを示す内容であり、歳出の強制削減や連邦職員の一時帰休をめぐる懸念がこれまでのところ、一部で懸念されたほど雇用全般に打撃を及ぼしていないことを示唆していると指摘。「一段と強い回復を誰もが望んでいるだろうが、きょうの統計に落胆する理由はない」と述べた。
FRBの緩和縮小観測の高まりを背景とした最近の市場金利の上昇については、懸念していないと言明。「長期金利がやや上昇するのは悪いことではない」とし「将来的に有益になる。大きな不安は抱いていない」と語った。
この日の米債券市場でも、雇用統計の発表を受けて国債利回りが上昇した。
FRB当局者の中でプロッサー総裁は少数派で、大半の当局者は依然として債券買い入れを支持している。ただ、バーナンキ議長を含む複数の当局者の間で、景気の改善が持続すれば今後数カ月間に買い入れを縮小することが可能との見方が強まっている。
プロッサー総裁は来年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を得る。[フィラデルフィア 7日 ロイター]