ウルグアイで大麻栽培が合法化 世界で初めて

南米ウルグアイの上院は12月11日、大麻の売買や生産を合法化する法案を可決した。これによって、同国は生産や販売を含めて大麻を合法化した世界初の国となった。大麻の流通を政府の管理下で行うことにより、治安改善が目的。麻薬組織の抗争などで治安が悪化している南アメリカ諸国では、注目を集めそうだ。
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FLORIDA, URUGUAY - OCTOBER 20: Julio Rey, 38, grows a few marijuana plants in a makeshift cabinet, complete with special lighting to help the bush grow in Florida, Uruguay on October 20, 2013. (Photo by Juan Forero / The Washington Post via Getty Images)
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南米ウルグアイの上院は12月11日、大麻の売買や生産を合法化する法案を可決した。これによって、同国は生産や販売を含めて大麻を合法化した世界初の国となった。オランダでは大麻の専門店での購入は合法だが、栽培は認められていない

ウルグアイが栽培まで合法化した背景には、政府の管理下で流通を認めることで、治安を改善する狙いがある。麻薬組織の抗争で治安が悪化している中南米の各国で、注目を集めそうだ。NHKニュースは以下のように報じている。

ウルグアイではムヒカ大統領が、大麻の密売をなくせば麻薬組織の資金源が絶たれ、犯罪が減るほか、麻薬の乱用による若者の犯罪を防止できると主張し、議会で大麻の栽培や売買を合法化する法案が審議されてきました。法案では、事前に政府に登録した18歳以上の国民に限り、1人当たり1か月40グラムの大麻を許可を受けた薬局で購入できるほか、年に480グラムまで大麻の栽培を認めていて、議会上院は、10日、賛成多数で法案を可決しました。

(NHKニュース「南米ウルグアイ 大麻合法化へ」2013/12/11 14:38)

法案は120日以内に施行される見通しで、一般市民が自宅で大麻を栽培することが可能になる。ムヒカ大統領は極左ゲリラ組織「ツパマロス」出身として知られており、急進的な政策を推し進めている。47NEWSでは次のようにムヒカ政権の姿勢を伝えている。

元左翼ゲリラで人権派のムヒカ氏は先進的な政策を推進。影響力の強いカトリック教会の反発を抑えながら人工妊娠中絶を合法化したほか、同性婚も認めた。政府は、大麻合法化で密売をなくせば麻薬組織壊滅につながると主張している。

(47NEWS「世界初、大麻栽培を合法化 ウルグアイ、犯罪抑制目的」2013/12/11 10:48)

だが、NHKニュースの報道によると、ウルグアイ国民の間でも大麻合法化法に反対の声も根強いという。

大麻の全面的な合法化についてウルグアイでは、税収の確保にもつながると歓迎する声がある一方で、大麻の使用による健康面の懸念や、より中毒性の高い麻薬の乱用につながりかねないといった批判が出ていて、最近の世論調査でも60%近い国民が法案に反対していました。

(NHKニュース「南米ウルグアイ 大麻合法化へ」2013/12/11 14:38)

【※】今回のウルグアイでの大麻合法化の取り組み、どのように思いますか?コメント欄にご意見をお寄せください。

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