内閣官房と自民党、公式Twitterで「羽鳥慎一モーニングショー」を名指しして反論。言論弾圧を危惧する声も

法改正は「“後手後手”批判を払しょくするため総理主導で進んでいるというアピール」という指摘に反論しました。
|
Open Image Modal
羽鳥慎一さん(2014年撮影)
時事通信社

内閣官房と自民党の公式Twitterが3月6日、ほぼ同じ文面で、テレビ朝日系で放送された情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」を名指しして反論するツイートをした。

前日の5日には厚労省の公式Twitterが「医療機関にマスクを優先配布すべき」という声を紹介した同番組を名指しして反論したばかりだった。

政府と与党が、国民向けの広報ツールを使って、特定の番組を狙い打ちにしているように見える。SNS上では「言論弾圧ではないか?」と批判する声が広がっている。

 

■内閣官房のツイート

 内閣官房国際感染症対策調整室は、テレビ朝日系で5日に放送された情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に反論する連続ツイートをした。

立憲民主党などの野党が、現行の新型インフル特措法のままで新型コロナウイルスを適用対象にできると主張。これに対して、安倍首相は現行法では適用できず、法改正が必要だとする立場だ。

安倍首相が法改正にこだわる理由について、この番組では政治アナリストの伊藤惇夫さんの「“後手後手”批判を払しょくするため総理主導で進んでいるとアピールしたい」という分析を紹介していた。

この分析に対して、内閣官房では番組を名指しして「法律改正をする理由はそうではありません」と反論した。

「現行の新型インフルエンザ等対策特別措置法では未知のウイルスしか対象としておらず、新型コロナウイルスはウイルスとしては未知のものではないので、今のままでは対象とならないからです」と主張。「打てる手は全て打つ」という考えで、法律改正しようとしていると説明した。

 ■自民党のツイート

自民党広報の公式Twitterもやはり、5日の「羽鳥慎一モーニングショー」を名指しした上で、ほぼ同じ内容のツイートをした。

新型コロナウイルスは「ウイルスとしては未知のものではない」として、「未知のウイルスしか対象としていない現行の法律が適応できません」と主張。法律改正を目指す理由を「打てる手は全て打つ」という考えで、法律改正しようとしていると説明した。

■SNS上での反応

Twitter上では政府・与党のツイートを歓迎する声もある一方で、批判する声も広がっている。弁護士の渡辺輝人さんは内閣府のツイートに対して、「政府広報の範を完全に逸して、言論弾圧だ」と指摘した。

また今回、内閣官房と自民党は新型コロナウイルスについて「ウイルスとしては未知のものではない」と投稿したが、安倍首相は2月29日の記者会見の中で、新型コロナウイルスについて「未知の部分がたくさんあります」「未知のウイルス」という言葉で説明していた

Twitter上では「安倍首相の発言は間違いということ?」「どっちなんや…」と戸惑う声が広がっている。