韓国の憲法裁判所は12月19日、所属議員が内乱煽動罪などで有罪判決を受けた統合進歩党に解散命令を下した。
統合進歩党は2011年に結成され、韓国国会(一院制、300議席)で5議席を持つ。1987年の民主化以降、政党が強制的に解散させられるのは初めて。
ハフィントンポスト韓国版が掲載した韓国紙「ハンギョレ」は、「統合進歩党が結党3年で解散を命じられた。憲政史上初の政党解散審判の結果、代議制民主主義の核心である政党を、国家権力が強制的に解散させる政治史に残る『事変』だ」と伝えた。
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憲法裁判所は12月19日、法務部が請求していた統合進歩等の政党解散請求に対し、裁判官9人中6人の賛成意見で解散を決定した。即時発効し、中央選挙管理委員会は政党登録を抹消する。同じ名前の政党や、同じ綱領を掲げる政党の結成も禁止される。党費、補助金などの財産は国家のものとなる。
2013年8月、国家情報院が李石基(イ・ソッキ)議員を内乱陰謀などの容疑で立件し、李議員らが起訴されると、2013年11月5日、政府は統合進歩党への解散審判を憲法裁判所に請求した。韓国の憲法には「政党の目的や活動が民主的な基本秩序に反するとき、政府は憲法裁判所に解散を提起でき、政党は憲法裁判所の審判により解散される」とある。
法務部は、統合進歩党が綱領に掲げる「進歩的民主主義」が、故・金日成主席がかつて主張した概念であるとし、党が北朝鮮の政治体制に賛同しているとした。また、李議員らが将来、南北間で戦争が勃発した時に韓国内の施設破壊を謀議したとされる「RO会合」の存在が裁判で認定され、これを根拠に「統合進歩党が、北朝鮮の対南革命路線に従っている」と主張した。
しかし進歩党は、「資本主義を認め、問題点を克服するための概念であり、北朝鮮ではなく南米の左派政権をモデルとしている」と主張。「RO会合」も党レベルの会合ではなく、一部の党員の行動だと反論していた。
この記事はハフポスト韓国版に掲載されたものを翻訳、加筆しました。
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