ロシアが「住民投票」の結果、ウクライナ4州を一方的に併合したことを受け、国連総会は10月10日、緊急特別会合を開いた。12日に併合を「違法で無効」だとする決議案を143カ国の賛成多数で採択した。決議に法的拘束力はないが、軍事行動を許さない国際社会の姿勢を示す意味合いがある。
国連の発表によると、今回の決議は「ロシアのいかなる併合主張も認めないことを求め、併合宣言の即時撤回を要求」するものだった。賛成は加盟193カ国の過半数にあたる143カ国だった。
反対票は5カ国で、当事者であるロシアのほか、ベラルーシ、シリア、朝鮮民主主義人民共和国、ニカラグアだった。中国、インドなど35カ国が棄権。イランやベネズエラなど10カ国が無投票だった。国際社会の多くが「一方的な併合」を非難する中で、これらの国はロシアに配慮した形となった。
■加盟193カ国の投票、その内訳は
国連の公式Twitterによると、国別の投票の内訳は以下の通り。
■反対(5カ国)
ベラルーシ、朝鮮民主主義人民共和国、ニカラグア、ロシア、シリア
■棄権(35カ国)
アルジェリア、アルメニア、ボリビア、ブルンジ、中央アフリカ共和国、中国、コンゴ、キューバ、エリトリア、エスワティニ、エチオピア、ギニア、ホンジュラス、インド、カザフスタン、キルギス、ラオス、レソト、マリ、モンゴル、モザンビーク、ナミビア、パキスタン、南アフリカ、南スーダン、スリランカ、スーダン、タジキスタン、タイ、トーゴ、ウガンダ、タンザニア、ウズベキスタン、ベトナム、ジンバブエ
■無投票(10カ国)
アゼルバイジャン、ブルキナファソ、カメルーン、ジブチ、エルサルバドル、赤道ギニア、イラン、サントメプリンシペ、トルクメニスタン、ベネズエラ
■賛成(143カ国)
アフガニスタン、アルバニア、アンドラ、アンゴラ、アンティグア・バーブーダ、アルゼンチン、豪州、オーストリア、バハマ、バーレーン、バングラデシュ、バルバドス、ベルギー、ベリーズ、ベナン、ブータン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ボツワナ、ブラジル、ブルネイ、ブルガリア、カーボベルデ、カンボジア、カナダ、チャド、チリ、コロンビア、コモロ連合、コスタリカ、コートジボワール、クロアチア、キプロス、チェコ、コンゴ民主共和国、デンマーク、ドミニカ、ドミニカ共和国、エクアドル、エジプト、エストニア、フィジー、フィンランド、フランス、ガボン、ガンビア、ジョージア、ドイツ、ガーナ、ギリシャ、グレナダ、グアテマラ、ギニアビサウ、ガイアナ、ハイチ、ハンガリー、アイスランド、インドネシア、イラク、アイルランド、イスラエル、イタリア、ジャマイカ、日本、ヨルダン、ケニア、キリバス、クウェート、ラトビア、レバノン、リベリア、リビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルク、マダガスカル、マラウイ、マレーシア、モルディブ、マルタ、マーシャル諸島、モーリタニア、モーリシャス、メキシコ、ミクロネシア、モナコ、モンテネグロ、モロッコ、ミャンマー、ナウル、ネパール、オランダ、ニュージーランド、ニジェール、ナイジェリア、北マケドニア、ノルウェー、オマーン、パラオ、パナマ、パプアニューギニア、パラグアイ、ペルー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、カタール、韓国、モルドバ、ルーマニア、ルワンダ、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、サモア、サンマリノ、サウジアラビア、セネガル、セルビア、セーシェル、シエラレオネ、シンガポール、スロバキア、スロベニア、ソロモン諸島、ソマリア、スペイン、スリナム、スウェーデン、スイス、東ティモール、トンガ、トリニダード・トバゴ、チュニジア、ツバル、トルコ、ウクライナ、アラブ首長国連邦(UAE)、英国、米国、ウルグアイ、バヌアツ共和国、イエメン、ザンビア