・4月9日 ユナイテッド航空がオーバーブッキングの乗客を引きずり下ろす
・4月10日 ユナイテッド航空CEOが従業員向けのメールでスタッフを擁護
・4月11日 ユナイテッド航空CEOがメールの件を謝罪
・4月12日 客を引きずり出す前の映像が新たに公開
・乗客デビッド・ダオさん、鼻骨折、前歯2本折れていた←この記事
アメリカ・シカゴで4月9日、ユナイテッド航空シカゴ発ケンタッキー州ルイビル行き3411便から引きずり出された乗客デイヴィッド・ダオさんの弁護士が13日会見を開き、ダオさんは鼻を骨折、前歯2本を欠損、脳震盪を起こしたと語った。ダオ氏は、ユナイテッド航空を提訴する意向だという。
トーマス・ディミトリオ弁護士は、ダオさんの提訴は「予測できた」と述べた。
「法とはこういうことです。至って単純です。乗客を降ろすのなら、いかなる状況であっても、理不尽な権力や暴力は使われるべきではありません」と、ディミトリオ氏は会見で語った。「それが法というものです」
ディミトリオ氏は著名なシカゴの弁護士で、彼の事務所は主に医療過失、飛行機事故、企業訴訟を取り扱う。事務所のウェブサイトによると、裁判や示談などで40億ドル以上勝ち取っているという。
おー、ダオ医師がトム・ディミトリオ氏を弁護士として雇うとはびっくり。私も過去にトムとやり合ったことがある。ユナイテッド、やばいことになったな。
「ダオさんは飛行機から降ろされた結果、重度の脳震とうを起こしました」と、ディミトリオ氏は述べた。「またダオさんは鼻を骨折、鼻内部を損傷し、近いうちに鼻の再建手術を受けます」
「この怪我で、重い後遺症が残らないことを願います」と、ディミトリオ氏は続けた。「しかしダオさんは今、動揺しています」
ユナイテッド航空側はダオさんを「破壊的で、けんか腰だった」と非難したが、12日に公開された動画には、力ずくで無理やり連れていかれるまでは、ダオさんが冷静に対応していた様子が映っている。ダオさんは、「私は医師で明日の朝8時に仕事があるのです」と丁寧にシカゴ空港警察に話している。
しかし、他の乗客が怯えながら見守る中、当局は血まみれのダオさんを飛行機から引きずり出した。
ダオさんを引きずり降ろしたことで、ユナイテッド航空は激しい非難にさらされた。ドナルド・トランプ大統領もこの状況を「ひどい」と批判した。
ユナイテッド航空のオスカー・ムニョスCEOは当初、「乗客を違う便に再誘導しなければならなかったことに対して謝罪する」という筋違いの釈明をしたことで状況は悪化した。ムニョス氏はその後、「このようなひどい事態になったことに対して」と、以前より感情のこもった謝罪を表明し、「我々はこのような状況を改善します」と約束した。
「ダオさんは座席の運賃を支払って飛行機の席に座っていたお客様で、このような扱いを受けていいはずはありません」と、ムニョス氏は12日、ダオさんの件について謝罪した。
ディミトリオ氏は、ユナイテッド航空の謝罪を「台本を読んでいるようだ」だと批判した。
ユナイテッド航空は14日、新しい声明を出した。その中で再び謝罪し、今後、「安全な運航」に必要な場合を除いては、警察当局を巻き込まないことを約束した。
「このようなひどい状況から我々は手厳しい教訓を学びました。即座に具体的な行動を起こします」と、声明で述べた。「我が社は今の壊れた状況を回復させ、このようなことが二度と起こらないよう、お客様と社員に約束します」
ディミトリオ氏は14日、航空会社、とりわけユナイテッド航空は、「乗客をいじめ、不当に扱ってきた」と批判した。
ダオさんの娘クリスタルさんは会見で、父親をサポートした人すべてに感謝の言葉を述べた。
ダオさんの娘クリスタルさん
「父に起こったことは、どんな状況であっても、どんな人に対しても絶対に起きてはいけないものです」と、クリスタルさんは訴えた。「ゾッとしましたし、ショックでした。父が経験したことを知り気分が悪くなりました。これから先、このようなことが二度と起きないことを願います」
ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。
▼画像集「飛行機の窓から見た風景」が開きます
(スライドショーが見られない方はこちらへ)