昨今、次から次へと生まれているSNSトレンド。
今の若い子にはとにかく「インスタ映え」すれば流行るんでしょ?なんて思っている方もいるかもしれませんね。
確かに、全体的な方向性としては間違いではありませんが、その「インスタ映え」が、今はさらに細分化している点も押さえておくべきポイントのひとつ。
今回は、そんなSNSブームの中でも大きな潮流のひとつ、「ゆめかわいい」文化について、ファッション誌勤務・女子大生歴4年目の私が「食」をテーマに解説します。
【ライター紹介】
田嶋嶺子
Retty編集部インターン。大学4年生。ファッション誌のライター・ニュースサイトの編集アシスタントとしても働く正真正銘のワーカホリックで、最近の悩みは「忙しすぎてインスタが過疎」。
海外を席巻中! ミレニアルズの象徴「ユニコーンスイーツ」ってなに?
Instagramなどで、2016年ごろからよく見かけるようになったトレンド「#unicorn」。
そう、一角獣のユニコーンが、現在大ブームなんです。 特にアメリカをはじめとした海外では、ユニコーンをモチーフにした投稿がたくさん!
試しに「#unicorn」とInstagramで検索してみると、なんと600万超もの写真が投稿されているのが分かります。
分かりやすい数字で比べると、これは「#mcdonalds」(アメリカの有名ハンバーガーチェーン「マクドナルド」)の560万枚よりも多い!
インスタ上では、もはやマクドナルドよりもユニコーンの方が浸透しているという状態になります。
ご存知の通り、ユニコーンとは、額の中央に一本の角が生えた馬に似た伝説の生き物。
そして、そんなユニコーンが現在、20〜30代半ばの「ミレニアルズ」といわれる世代から絶大な支持を得ているんです!
*ミレニアル世代とは...1000年紀のことを指すミレニアムにちなみ、ちょうど2000年以降に成人を迎える世代を「ミレニアル世代」と呼ぶ。主にアメリカで使用されている区分であるが、近年日本でも使われるようになってきた。
ミレニアル世代が大事にしていること、それは「みんなとは違う"ユニーク"でいること」。
ユニークさを至高とする彼らにとって、ユニコーンはまさにシンボル的な存在となっているんです!
ポップでカラフル、唯一無二な世界観が受け入れられ、SNS上では世界的な一大ムーブメントに発展しました。(みんなが同じ投稿していたら結局一緒じゃん、というツッコミはもちろん、ここではご法度です!)
そして、そんなユニコーンブームの波は、スイーツにも大きく影響を与えています。
全体的な特徴は、白・ピンク・紫などのパステルカラーやレインボーカラーを用いていること。
そんなカラフルなスイーツが、「ユニコーンスイーツ」というジャンルになって大人気に!マシュマロやカラースプレーなどの食材もよく見られます。
もはやこうなると、一角獣のフォルムが残っていなくてもオッケー。「ユニコーンっぽいもの」ならなんでもアリな状態。
結局、可愛ければそれでいい!とばかりに「#unicorn」が多用(乱用?)されているのです。
そして見ての通り、写真映えはどれも抜群!
ぱっと見て、目を惹かれるものばかりですよね。
これまでの価値観がどんどん塗り替えられて、不安定な環境が続いているこの時代。個性的で、群れずに独立した(=independnt)存在のユニコーンに憧れる気持ちは、同世代としてよく分かります。
日本にもついに上陸! 合言葉は「ゆめかわいい」...?
そんな中、我らが島国ニッポンにもようやくユニコーンスイーツが上陸しました。
満を持して発表されたのが、イギリス発のカップケーキブランド「モナークオブロンドン」の「ユニコーンスイーツコレクション」!
今年6月にユニコーンをモチーフにしたスムージー、カップケーキ、マカロンを発売開始したところ、SNSでは話題沸騰!各メディアがこぞって取り上げたのも記憶に新しいですよね。
しかし! このユニコーンスイーツたち。日本では、海外とは少し違う文脈で流行になっているんです。
その背景を理解する上で重要になってくるワードが、日本の「ゆめかわいい」ブーム。
そもそも「ゆめかわいい」って何?という方のためにご説明すると...
「ゆめかわいい」とは、ピンクなどのパステルカラーやラメグリッターをイメージした、メルヘンでドーリーなものを指す形容詞、といった感じでしょうか。
あえて説明するとすれば、「夢の世界みたいに可愛い」といった感じでしょうか。昔でいう「姫系」に少し近いかもしれません 。
しかし、きゃりーぱみゅぱみゅに代表されるような、ポップでドーリーでありながらも少し「毒」や「病み」の要素が入っていることもあるのが、「姫系」との違いともいえそうです。
"ファンシーでガーリー、少し現実離れしながらもきちんと完結した独自の世界観"が、今の若者層にすんなりと受け入れられ、またSNS全盛の現代事情にもマッチして一大ムーブメントになったのです。
そんな「ゆめかわいい」文化は、もちろんスイーツにも波及!
例えば過去の記事でもご紹介した、恵比寿にオープンした「MiLKs」や
学芸大学の「AWORKS CHEESE CAKE CAFE」など
「ふわふわ」「パステル」「カラフル」など、ゆめかわの要素がたっぷり!
「ゆめかわいい」のメッカは原宿ですが、これらのお店は2店とも、その沿線に位置しています。
これは「ゆめかわいい」文化がじわじわと広がっている証ともいえますね。
まだまだ広がる!「ゆめかわいい」×「ユニコーンスイーツ」
さて、そんな経緯や背景によって、日本でもミレニアル世代に受け入れられた「ユニコーンスイーツ」。今後も、「ゆめかわいい」文化の後押しを受けて、まだまだ広がりを見せそうです。
先ほど挙げたモナークオブロンドンの他にも、「ユニコーンスイーツ」が楽しめるお店が!
こちらは、汐留カレッタのフルーツスタンド「KAJITSU_CLUB」にて期間限定で展開していた「ベリーベリーユニコーン」!
女子向けメディア「LAURIER PRESS(ローリエプレス)」とコラボしたというだけあって、ピンクのラメのついたマシュマロやパステルピンクのクリームなど、ゆめかわいい要素がたくさん!
8/26までの夏限定コラボということで、残念ながら現在は販売終了してしまいました...。こんなに可愛いスイーツドリンク、あったら確実に頼みたくなっちゃいます(女子大生脳)。
続いては麻布十番「NEW NEWYORK CLUB」のユニコーンベーグル。
もともと自由が丘にて「レインボーベーグル」が大人気の「NEW NEWYORK CLUB」が、麻布十番にも出店!
この「ユニコーンベーグル」は麻布十番店限定の上、平日のみ数量限定での販売だそう。
レア度は、ユニコーン並に高いといえますね。これは余計に盛り上がること間違いなしです。
今後もブームを受けて、ますます増えていくと思われるユニコーンスイーツたち。
世界共通のそのキュートさで、単なる「SNS上の流行」を超えてこれから様々なところで見受けられるようになりそうですね!
(2017年8月4日Rettyグルメニュース「「ユニコーンスイーツ」が流行り始めているのは何故? "ゆめかわいい"から紐解く、現代スイーツ社会学」より転載)
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