ガーナ大使「公邸」で闇カジノ 外交特権あるのに摘発できた理由とは

駐日ガーナ大使が「大使公邸」として東京・渋谷に借りている部屋で、客にバカラ賭博をさせる「闇カジノ」が営業されていたことがわかった。
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LONDON - APRIL 11: Presenter Helen Chamberlain launches the inaugural National Casino Week at The Whitehouse, Clapham on April 11, 2005 in London. The event celebrates casino games including Blackjack, Roulette and Baccarat, and incorporates a nationwide tour offering training to the public. (Photo by Chris Jackson/Getty Images)
Chris Jackson via Getty Images

駐日ガーナ大使が「大使公邸」として東京・渋谷に借りている部屋で、客にバカラ賭博をさせる「闇カジノ」が営業されていたことがわかった。警視庁が3月19日、カジノ店の従業員10人を逮捕したと発表。朝日新聞デジタルが、ガーナ大使が事件に関与した可能性を報じている。

現職のガーナ大使(55)が借りていたビルの一室で客に賭博をさせていたとして、警視庁は、無職山野井裕之容疑者(35)=東京都板橋区宮本町=ら男女10人を賭博開帳図利の疑いで逮捕し、19日発表した。同庁は、外交特権のある大使が事件に関与した疑いがあるとみて、外務省を通じて任意聴取の要請をしている。

(朝日新聞デジタル「ガーナ大使名義の部屋で闇カジノ 開帳容疑で10人逮捕」2014/03/19 11:51)

各国の大使館や大使公邸は、ウィーン条約で外交特権が認められており、家宅捜索することは不可能だが、警視庁は摘発に踏み切った。外務省にハフィントンポストが電話取材したところ「ガーナ政府から外務省に届け出が出ていないため、正式な大使公邸とは認められない。ウィーン条約には抵触しない」と話している。

闇カジノの従業員が「大使館だから警察に捕まらない」といって客を募っていた疑いがあると、MSN産経ニュースが報じている。

玄関に「駐日ガーナ大使」と実名で掲げられていたが、外務省に届け出ていなかった。山野井容疑者らは「大使館だから警察に捕まらない」といって客を募り、2億円以上を売り上げていたとみられる。

(MSN産経ニュース「“大使公邸カジノ”摘発、10人逮捕 ガーナ大使の聴取要請 警視庁」2014/03/19 13:56)

また、従業員らは「ガーナ大使も来ていた」と証言していることから、警視庁保安課では大使の任意聴取を求めているという。外交特権で逮捕は不可能だが、聴取に応じない場合は「好ましくない人物」(ペルソナ・ノン・グラータ)として、国外退去を要請する可能性がある。

2010年6月に公開された北野武監督の映画「アウトレイジ」で題材にされるなど、外交特権を悪用した「大使館カジノ」はしばしば問題になるが、摘発に結びつくケースは稀だ。同年5月には、駐日コートジボワール大使館の元外交官が、都心に借りたビルの一室を賭博店に貸して報酬を得ていたとして、賭博開帳図利幇助(ほうじょ)容疑で警視庁に逮捕された事件があった。

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